野菜の収穫時期と保存方法
1.野菜によって収穫時期はいろいろ
愛情をいっぱい注いで育てた野菜を収穫するのは野菜栽培の中で一番の楽しみですよね。
野菜は大きく分けると次のように3種類あります。
- 実もの野菜
- 葉もの野菜
- 根もの野菜
それぞれの野菜は、手間がかかったりするものもあれば、簡単に育てられたりするものもあり、栽培難易度はばらばらです。
この3つの野菜の種類の中では特に実もの野菜は花が開花してから収穫するまでの期間が長く、実が害虫に食べられたり、鳥にいたずらされるので育てることが難しい野菜です。
また、実った野菜を収穫するタイミングは野菜によってバラバラで、早めに収穫する野菜、遅く収穫してもいい野菜、熟してから収穫する野菜などがあるので収穫適期がよくわからなくて悩むこともあります。
自分で育てた野菜を美味しい状態で食べるには収穫するタイミングを見極めることが重要となります。
なぜなら、各野菜は食べるのに最適な熟度(未熟・完熟)が違うので収穫するタイミングをずらさないといけないからです。
そして、もう1つ重要になるポイントは、収穫した野菜をどのくらい時間が経ってから食べればいいのかという鮮度も影響してきます。
キャベツ、白菜、こまつななどの葉もの野菜、ダイコンやニンジンなどの根もの野菜では、収穫が遅れるとトウ立ちしてしまい食べる部分が硬くなり、そして味も落ちてしまいまずくて食べられなくなります。
トウ立ちとは、子孫を残す為に花を咲かせる茎が中心から伸びてきてつぼみができ花が咲くことです。葉もの野菜と根もの野菜は花が咲いたら味が落ちるので食べない方がいいでしょう。
せっかく収穫したのに美味しくない野菜を食べるのは悲しいので、実もの野菜は花が開花してから、葉もの野菜と根もの野菜はタネまきから何日くらい経過したら収穫していいのか簡単にまとめました。野菜を収穫する時の大体の目安にして家庭菜園を楽しんでください。
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2.実もの野菜の収穫までの日数
ナス
収穫:開花から20日くらい
状態:実が大きくなりすぎると皮が固くなり食べれなくなるので、やや小ぶりで収穫します。
ピーマン
収穫:開花から15~20日くらい
状態:実の長さが7cmくらいに十分大きくなったものから収穫します。実が赤色ではなく緑色の時に収穫してください。
シシトウ
収穫:開花から15~20日くらい
状態:実の長さが7cmくらいに十分大きくなったものから収穫します。実が赤色ではなく緑色の時に収穫してください。
とうがらし
収穫:開花から40日くらい
状態:実の色が赤くなって十分に熟したものから収穫。但し、万願寺や伏見甘長などのとうがらしは、赤く熟す前の緑色の時(開花から20日くらい)に収穫します。
カラーピーマン(パプリカ)
収穫:開花から60日くらい
状態:実の色が緑色から赤色・黄色・オレンジ色に変化したものから収穫します。なかなか実の色は変わらないので気長に待ってください。
トマト(大玉・中玉・ミニ)
収穫:開花から30~50日くらい
状態:果実の色が赤色や黄色に変化して実が完熟したものから収穫します。気温が低いとなかなか実の色は変わりません。
キュウリ
収穫:開花から10日くらい
状態:実の長さが20cmくらいになったら早めに収穫します。巨大な大きさになったら苦みがでてきます。
トウモロコシ
収穫:授粉させてから15日くらい
状態:ひげが枯れたら収穫適期ですが、1本試し採りして確認してください。トウモロコシは鮮度が命なので採れたてをすぐにゆでたり焼いたりして甘いトウモロコシを食べてください。
カボチャ
収穫:開花から45日くらい
状態:ヘタが枯れてきてから収穫します。収穫後1週間くらい追熟させると甘味が増えます。
小玉スイカ
収穫:開花から35日くらい
状態:ミツバチなどのような花粉を運ぶ虫がいない環境では人工受粉が必要です。収穫が遅れ過熟すると味が落ちるので遅くても45日までには収穫しましょう。
小玉メロン
収穫:開花から35日くらい
状態:ミツバチなどのような花粉を運ぶ虫がいない環境では人工受粉が必要です。収穫が遅れ過熟すると味が落ちます。収穫適期になったら採って追熟させましょう。
オクラ
収穫:開花から7日くらい
状態:実の長さが7cmくらいで実が固くならないうちに収穫します。収穫が遅れると実が硬くなって食べられません。
エダマメ
収穫:開花から35日くらい
状態:サヤがしっかりふくらんだら収穫します。カメムシなどの害虫被害が多いので注意してください。エダマメは鮮度が命なので収穫したらすぐにゆでて甘いエダマメを食べてください。
インゲン
収穫:開花から15日前後
状態:実が10cmくらいになったら株の下の方から収穫します。シャキシャキのインゲンを味わってください。
落花生
収穫:開花から2カ月以上
状態:葉っぱが黄色くなって枯れ出したら収穫します。落花生は花が咲いたら子房柄が地面に向かって伸び始め地面の中で実がなります。
イチゴ
収穫:開花から35~40日くらい
状態:果実が赤く完熟したら収穫します。鳥に食べられるのでネットで覆ってガードしましょう。
3.葉もの野菜の収穫までの日数
万能葉ネギ
収穫:タネまきから75日くらい
状態:葉が20cm以上になったら収穫します。緑色の葉の部分は栄養は豊富。
タマネギ
収穫:タネまきから6カ月くらい
状態:茎葉が倒れたら収穫します。育てる期間が長いので肥料切れに注意。
大葉ニラ
収穫:タネまきから75日くらい
状態:葉が20cm以上になったら収穫します。つぼみがついたら味が落ちるのでつぼみは早めに摘み取ってください。
コマツナ
収穫:タネまきから60日くらい
状態:葉が20cm以上になったら収穫します。
ブロッコリー
収穫:タネまきから120日くらい
状態:花蕾(からい)が15cm以上になったら収穫
菜の花
収穫:タネまきから120日くらい
状態:花蕾(からい)が盛りあがったら収穫
ホウレンソウ
収穫:タネまきから90日くらい
状態:葉が20cm以上になったら収穫します。寒さに当てると甘味が増して美味しくなるので秋~冬の間の栽培に適しています。
白菜
収穫:タネまきから90日くらい
状態:玉が大きくなったら収穫します。寒さに当てると甘味が増します。
キャベツ
収穫:タネまきから90日くらい
状態:玉が大きくなったら収穫します。寒さに当てると甘味が増します。
ニンニク
収穫:タネ球の植え付けから8カ月くらい
状態:葉が枯れだしたら収穫します。
ラッキョウ
収穫:タネ球の植え付けから9カ月くらい
状態:葉が枯れだしたら収穫します。
4.根もの野菜の収穫までの日数
ニンジン
収穫:タネまきから80日くらい
状態:根の直径が5cm以上になったら収穫します。
ダイコン
収穫:タネまきから4~5カ月くらい
状態:根の直径が7cm以上になったら収穫します。
ジャガイモ
収穫:タネいもの植え付けから3カ月くらい
状態:茎や葉っぱが黄色く枯れ出したら収穫します。収穫後は1週間くらい追熟させると甘味が増します。
サツマイモ
収穫:タネいもの植え付けから6カ月くらい
状態:葉が枯れ始める10月頃から寒くなって霜が降りる前までに収穫し、1週間くらい追熟させてから食べると美味しくなります。サツマイモは寒さに弱く、収穫時期が遅くなると土の中で腐っていることがあるので注意してください。
サトイモ
収穫:タネいもの植え付けから6カ月くらい
状態:葉が枯れ始める9月頃から寒くなって霜が降りる前までに収穫します。
山芋(つくね芋)
収穫:タネいもの植え付けから6カ月以上
状態:10月以降に茎や葉っぱが黄色く枯れ出したら収穫、又は茎や葉がすべて枯れるまで待ってから収穫してもよい。
5.収穫した野菜の保存方法
野菜を収穫した後は、基本的に保存はせずにすぐに調理して食べるのが野菜の一番美味しい食べ方です。
そうはいっても少しの野菜は例外がありまして、スイカ、メロン、サツマイモ、ジャガイモ、カボチャは少しの間保存して追熟させるとさらに美味しくなります。
野菜を収穫した時に覚えておくことは、野菜は収穫した時が一番鮮度がよく、時間の経過と共に鮮度が徐々に落ちていくことです。
なぜならば、野菜は収穫した後も呼吸を続ける為に野菜の中に貯め込んだ養分を使っているからです。特に葉もの野菜と実もの野菜は鮮度が落ちるスピードが速いので気をつけてください。
- 葉もの野菜:すぐに鮮度が落ちる野菜です。蒸散して水分がなくなりじきにしおれてしまいます。
- 実もの野菜:葉もの野菜よりは鮮度はすぐに落ちませんが、過熟してしまうと味が落ちてまずくなり食べれたものではありません。
- 根もの野菜:呼吸量が少ないので葉もの野菜と実もの野菜よりも長い間鮮度を保てますが早めに食べてください。
いずれにしても、野菜を食べ切れないくらいの量を収穫してしまった時は適切な場所で保存することが大切です。
野菜は収穫した後も呼吸をしているので少しでも生命活動を少なくしてもらえる場所が適していますよね。
野菜は低温にさらされると呼吸量が減るので、野菜の保存に適した場所は温かい場所ではなく涼しい場所又は寒い場所となります。具体的にいえば、冷蔵庫の野菜室や日が当たらず日陰で涼しい場所です。温度でいえば0~15℃くらいです。
つまり、野菜を低温で保存することが鮮度を長持ちさせる秘訣となります。多収穫した時は少しでも状態がよい野菜を保つ低温での保存方法で保管してください。
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