美味しい野菜を収穫する土壌の5つのコツ

野菜の生長に大きく関わる土と肥料を考える

庭でカボチャを育てる

庭やプランターを使って野菜を育てているけど野菜の育ちが悪いという悩みはありませんか。

そのような悩みをお持ちの方は、現在野菜を育てている土壌の状態を調べてください。

野菜は空気中の二酸化炭素と太陽の光を利用して光合成を行いエネルギーを作り、そして、根っこから養分を取り入れて育っているので、まずは、土壌に注目することです。

自分が育てている野菜の苗が植え付けてある土壌を調べてください。調べてみてどうでしたか?

  • 土には根っこが大きく張れる空間はありますか?
  • 根っこが張りやすい土ですか?
  • 土に野菜が好む肥料が入れてありますか?

野菜が大きく育つには上記の質問は重要なことです。

ここでは、栄養分が豊富に含まれる美味しい野菜を栽培するには、根っこが伸びて養分を吸収する為に必要な土と肥料はどういう状態が適しているのか考えてみましょう。

土壌に行う5つのコツを覚えて栄養豊富な野菜を収穫してください。

1.作土の深さは適切ですか?

美味しい野菜を栽培するコツ1

作土(さくど)とは、土壌の表層の軟らかい土層のことで、野菜の苗の根っこが大きく伸びるには最低でも15cm以上の深さの作土の層が必要となります。

土が硬いと根っこは伸びないので、根っこを伸びるようにするには土を軟らかくしないといけません。

作土を作るには、土をスコップやクワなどで掘り起こして耕耘(こううん)することです。
※耕耘とは土を耕すことです。

耕耘させれば土が軟らかくなるので、野菜の苗の根っこが伸びやすくなり、深く耕せば野菜の苗の根っこが伸びる空間が広くできるので野菜は養分をたくさん吸収し大きく生長できるようになります。

庭で野菜を栽培する時の作土の深さを調べる方法は、支柱を硬い層に達するまで土の中に突き刺していき調べます。支柱の挿入が止まった位置が作土の深さとなり、それ以上の深さには野菜の苗の根は張ることができません。

プランター栽培の場合は、土の表面からスノコまでの深さが野菜の苗の根が張れる深さとなります。

土を耕すことは、土を軟らかくするという目的の他には、

  • 土の中に空気を送る
  • 肥料を混ぜ合わせる
  • 病原菌を減らす
  • 微生物の働きを活性化させる

という目的もあります。

なお、庭の地面が硬すぎて作土が深くできない場合は、畝(うね)を高くして栽培するようにしましょう。

2.土性は適切ですか?

美味しい野菜を栽培するコツ2

土性(どせい)とは、土壌の粒子の細かさのことで、土壌中に砂と粘度が混ざり合っている割合で決まります。

例えば、

  • 砂が多い土壌:さらさらした土質で、水持ち、肥持ちが悪い
  • 粘度が多い土壌:ねばねばした土質で、水はけ、通気性が悪い

という特徴があります。

このように、砂が多いか粘土が多いかの違いで、水はけ、水持ち、肥持ち、通気性の良い悪いが決まります。

野菜栽培に適した土とは、水はけ、水持ち、肥持ち、通気性が良い土のこと指し示し、水はけ、水持ち、肥持ち、通気性を良くするにはどうしたらいいのかというと、バーク堆肥や腐葉土などの植物性の有機質や基本用土の赤玉土を投入して土壌改良することで解決できます。

堆肥には有機物(養分)がたくさん蓄積していて、有機物が多い程軟らかい土、土の色が黒い程有機物(腐植)が多いという特徴があります。
※有機物は、微生物が分解して野菜の苗の根っこから養分を吸収できるようになるので、微生物の活動が活発になり地力が高まる効果も期待できます。

植物性の堆肥や赤玉土を土に混ぜ合わせる量としては、1m当たりの面積に対して2kgが目安です。

  • 砂が多い土質では、土に植物性の堆肥と赤玉土を同じ比率で混ぜ合わせて水持ちと肥持ちを改良
  • 粘土が多い土質では、土に植物性の堆肥を混ぜ合わせて軟らかくして水はけと通気性を改良

また、野菜を育てている土壌の色が黒っぽい色をしていない時も有機物が少ない状態なので堆肥などの有機物を補充した方が美味しい野菜が収穫できます。

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3.土壌に肥料を施肥しましたか?

美味しい野菜を栽培するコツ3

野菜は草花と違って養分をたくさん消費する植物なので、それ相応な量の肥料が必要です。

野菜の苗を植え付ける前に肥料を施肥すると思いますが、それだけでは量が足りません。

土の中の養分は、野菜の苗の根っこから吸収されたり、雨が降って流されるので、野菜を収穫する時期になるまでは定期的に肥料を与え続けなければなりません。

肥料が少なくなるとどうなのかというと、残念ながら肥料切れの状態になり野菜の苗の生長が止まり実った果実の収穫はできなくなります。

肥料には、有機質肥料、化成肥料、液体肥料の3種類があるのでそれぞれの特徴を理解して施肥しなければいけません。

有機質肥料の特徴は、微生物が分解して無機物にしなければ野菜の苗の根っこから養分が吸収できないので、肥料の効果が現れるのがとても遅いことです。

有機質肥料と正反対な特徴を持っているのが化成肥料と液体肥料で、肥料の成分は無機物なので肥料を与えると水に溶けた養分をすぐに根っこから吸収して肥料の効果が現れます。

以上のそれぞれの肥料の特徴を踏まえて私がおすすめする肥料は、元肥(もとごえ)には有機質肥料、追肥(ついひ)には有機質肥料と化成肥料又は有機質肥料と液体肥料を混ぜ合わせた形で与えることです。
※元肥は野菜を育て始める直前に投入する肥料のことで、追肥は野菜を育て始めてから投入する肥料のことです。

適量の肥料は野菜によって異なってくるので、過剰に肥料を施肥すると野菜の苗の根を傷め生長が悪くなることがあります。

1度にたくさんの肥料を与えるのではなく、その野菜に見合った量の肥料を与えるようにしてください。

4.土壌のpHは適切ですか?

美味しい野菜を栽培するコツ4

pH(ピーエイチ)とは、土壌に含まれる水素イオンの濃度のことです。

pHは0~14までの数値で表され、7が中性、7より大きい数値はアルカリ性、7より小さい数値は酸性を表します。

日本は雨が多い国なので何も手を施していない土壌では、カルシウム(石灰)やマグネシウム(苦土)などのアルカリ成分が流されてpHは酸性になっています。

多くの野菜はpH5.5~6.5の微酸性や弱酸性を好むので、酸性の土壌では野菜の苗の根っこが伸びなくなり生育が悪くなります。

例外の野菜として、

  • pH6.5~7.0:ホウレンソウ
  • pH5.0~5.5:ジャガイモ

があります。

では、酸性土壌をpH5.5~6.5へ改良するにはどうしたらいいのかというと苦土石灰を撒くことで解決できます。

苦土石灰を撒いたことが1度もない方は土壌のpHは酸性に傾いているので、土の表面が薄ら白くなるくらいに撒いて混ぜ合わせることをおすすめします。

5.同じ場所で連作していませんか?

美味しい野菜を栽培するコツ5

連作とは、毎年同じ場所(土壌)で同じ野菜を栽培することをいいます。

連作すると何がいけないのかというと、病気が発生したり害虫が寄ってきやすくなり、野菜の生育が悪くなり収穫量が減るという障害が現れるからです。

連作障害が起こる要因としては、

  • 土壌の養分のバランスが崩れた
  • 野菜の苗の根っこから有害物質を自ら排出した
  • 病原菌やセンチュウが増えた

などが挙げられます。

では、連作障害を防ぐ対策方法としては、

  • 窒素、リン酸、カリ以外にも微量要素といわれているミネラルを補い特定の養分が減るのを防ぐ
  • 土壌に堆肥や有機質肥料を混ぜ合わせて微生物の活動を活発にさせ蓄積した有害物質を分解してもらう
  • 土壌を太陽の光に当てて消毒する

などがあります。

また、接ぎ木苗といって野菜の苗の根っこが連作障害に強い根が使われている苗を買ってきて育てることも連作障害を防ぐ対策に適しています。

なお、連作障害が発生しやすい野菜としにくい野菜があります。特にナス科やウリ科の野菜は連作障害が発生しやすいので気をつけてください。

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