家庭菜園初心者の作付け計画と野菜の育て方の基礎知識

1.野菜を育てる作付計画の作り方

ミニトマトの野菜の苗を育てる

みなさんは家庭菜園を始める時に作成する作付計画(さくづけけいかく)とはどういうものなのかわかりますか?

作付計画とは、どの季節にどういう野菜をどこで育てるのかという野菜作りの設計図のことです。

野菜を作ることは難しいと思われている方がいますが、その多くの理由は作付計画を作らずに間違った育て方を実践しているからです。

家庭菜園を始めようと思ったら、何も考えずに真っ先にタネをまいたり苗を植えたりしますよね。

野菜の育て方が理解できていない方は、タネをまいたり苗を植え付けても健全に育たず枯れてしまいますのでいったん落ち着いて行動してください。

では、何をすればいいのかというと、野菜の育て方の基礎知識を覚えて作付計画を作成して野菜のタネや苗を植え付ける為の畑やプランターを用意していつ植え付ければいいのか考えてください。

畑といっても家の一画にある小さいスペースの庭先を耕せば簡単に野菜作りに適した場所にすることができますし、プランターを使えば地面がコンクリートのベランダでも簡単に家庭菜園を楽しむことができます。

まずは、野菜作りを始める前に野菜の分類を覚えましょう。日本標準商品分類では、野菜は次の3種類に分類されています。

  • 根菜類:根や食用とする野菜のことです。ダイコン、ニンジン、じゃがいもなど
  • 葉茎菜類:葉や茎を食用とする野菜のことです。コマツナ、キャベツ、白菜、たまねぎなど
  • 果菜類:実を食用とする野菜のことです。ナス、トマト、ピーマン、イチゴ、いんげん、エダマメなど

また、上記の3種類の分類をより詳細に分類すると、

  • 花菜類:ブロッコリー、食用菜の花など
  • 果菜類:ナス、トマト、ピーマン、イチゴ、スイカ、メロンなど
  • 茎菜類:タマネギ、アスパラガスなど
  • 根菜類:ダイコン、ニンジンなど
  • 葉菜類:コマツナ、キャベツ、白菜など

に分けられます。さらに細かく分けると、イチゴなどは果実的野菜、じゃがいもなどはいも類、エダマメなどはまめ類に分類されます。

野菜の分け方はいろいろありますが、基本は食べる部分ごとに分けた、根菜類、葉茎菜類、果菜類の3種類です。

野菜は、大まかに分けると、次のように、春から育てる野菜と秋から育てる野菜に分類できます。

  • 果菜類:春~夏まで育てます。
  • 葉菜類・茎菜類・根菜類:秋~冬まで育てます。
  • いも類:春~夏又は秋まで育てます。

ここまでの知識があれば、どの季節にどの野菜を植え付ければいいのかがわかりましたので、後は、日当たりがよい場所で庭先又はプランターを選んでもらえれば野菜の作付計画は完成です。

上記のように育てる季節が異なるので、それぞれの野菜が大きく育つのに適した季節をしっかり把握して作付計画を立てることが野菜作りの成功のカギになります。

プランターや庭への野菜の苗の植え付け間隔

プランター栽培では栽培スペースが小さいので、葉・茎・根菜類は10cm間隔、果菜類は20cm間隔で植え付け日当たりが良い場所に移動させて育てればいいです。

庭を耕した畑栽培では栽培スペースが大きいので、次のように、畝の横幅は70~80cm、条間30~40cmとすることが一般的です。

畑の畝と条間の幅

畑の畝(うね)の大きさについて
畑の畝の横幅は70~80cm、高さ10cm、畝と畝との間は作業性を考慮すると30cmくらいになるように整備してください。
畝への苗の植え付け間隔
畑の畝への苗の植え付けやタネまきは、条間30~40cmの間隔で行います。

庭を耕して畑にする場合は、プランターのように移動させることができないので畑の畝(うね)の向きと間隔に注意する必要があります。

畝は、日当たりを一定にするために南北に伸ばすのが一般的とされていますが、近くに建物がある場合は、日当たりが悪くなりますので、日なたを好む野菜(ナス、トマト、ピーマン、キュウリなど)を育てる場合は畑にする場所の日当たりをよく調べてください。

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2.野菜作りの失敗を防ぐ基礎知識

野菜の苗を育てる

作付計画の作成ができましたら、最低限覚えておかなければいけない野菜作りの基礎知識を身に着けてください。

野菜を栽培する時は、次のように、良い土を作る、肥料は少なめに与える、日当たりのよい場所を選んで育てる、連作障害を防ぐことに気をつけて行えば失敗して枯れる確率は低くなります。

1.良い土を作る

野菜は、どのような土でも大きく育つわけではありません。庭で野菜を育てたり、家庭菜園をする農園をレンタルして育てる方は、野菜作りに適した土に改良する必要があります。

また、プランターで野菜を育てる方はプランターという容器と培養土という土を購入してください。

まずは、家庭菜園を始める前に庭を畑にする方法プランターと土を選ぶを参考にして、土作りを行ってください。

2.肥料は少なめに与える

野菜作りを成功されるには、肥料についても知っておかなければいけません。

肥料は1回与えれば終わりというわけではなく、肥料が足りなくなったら追肥という作業が必要になります。

この追肥の作業が上手くいかないと、葉が黄色っぽい色に変色してきて枯れたり、葉や茎ばかりが伸びて肝心な実の着きが悪くなったりします。主に、肥料の窒素成分が多いと実の着きが悪くなることが起きやすいです。葉が自然の緑色ではなく深緑色になっていたら窒素成分が多いので要注意です。

追肥については、野菜に追肥をするを参考にしてください。

3.日当たりのよい場所を選んで育てる

植物は、太陽の光を受けて光合成をして必要な養分を自ら作って大きく生長していきますが、すべての植物が日なたを好んではいません。
野菜も同じで、日なたを好むもの、日陰を好むものがあります。

日当たりに関しては、野菜作りに適した環境を参考にしてください。

4.連作障害を防ぐ

連作障害とは、毎年同じ土で同じ科の野菜を作ると野菜が病気や害虫の被害に遭いやすくなる現象が起きることをいいます。

連作障害を防ぐ為には、1回育てた野菜は同じ土では3年くらい育てることを避けるようにしてください。
連作障害が起きにくい野菜もありますし、起きやすい野菜もあります。特にナス科とアブラナ科によく起こります。

連作障害に関しては、野菜の連作障害を参考にしてください。

3.家庭菜園で育てる主な野菜の栽培季節

家庭菜園は、一般的には春に苗を植え付けたりタネをまいたりして野菜を育て始めて、夏になると育てた野菜を収穫して家庭菜園を一旦終わりにして、来年の春になるのを待つ方が多いと思います。

しかし、野菜には春から育てるものと秋から育てるものがありますので、1月~2月以外は野菜を育てることができます。

つまり、野菜は春~冬まで育てられるということです。

ですので、春から野菜を育てた後に春夏野菜を一旦終了して、秋からは秋冬野菜を続けて育てればたくさんの種類の野菜を食卓で食べることができるようになります。

家庭菜園で育てた野菜は、スーパーで売っている野菜とは比べ物にならないくらい旨みがあり美味しいので、是非、春から冬まで野菜作りにチャレンジしてみてください。

春(2~3月)に植え付けて夏(7月)まで育てられる野菜

ナス科

春(4~5月)に植え付けて冬(11~12月)まで育てられる野菜

キク科
  • ゴボウ
サトイモ科
ヒルガオ科
マメ科
ヤマノイモ科

春(4~5月)に植え付けて夏の終わり(8~9月)まで育てられる野菜

ナス科
アオイ科
ウリ科
マメ科
イネ科
アブラナ科
ユリ科

秋(9月)に植え付けて冬(12月)まで育てる野菜

セリ科
アブラナ科
キク科
  • レタス
ユリ科
  • ネギ
  • 万能葉ネギ
  • ニラ
アカザ科

秋(9~10月)に植え付けて翌年の春(5~6月)まで育てる野菜

バラ科
ユリ科

初心者でも育てやすいおすすめの野菜(春夏野菜)

  • ミニトマト
  • ピーマン
  • 甘トウガラシ
  • シシトウ
  • ジャガイモ
  • サトイモ
  • ジャガイモ
  • トウモロコシ
  • オクラ
  • インゲン

初心者でも育てやすいおすすめの野菜(秋冬野菜)

  • ニンジン
  • ブロッコリー
  • ハクサイ
  • キャベツ
  • ダイコン
  • チンゲンサイ
  • コマツナ
  • ラディッシュ

野菜のタネや苗の植え付け時期の詳しい説明は野菜作りの季節で確認してください。

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