野菜の生長を手助けする益虫
1.野菜に近づいてくる生き物は害虫とは限りません
家庭菜園をしていると、春の季節はまだ大丈夫ですが、段々気温が暖かくなってくるにつれて害虫に葉っぱや茎を食べられたり、最悪の状況では少し油断していると折角大きく実ったトマト、ピーマン、エダマメ、トウモロコシなどの実までもが害虫に食べられてしまうという悲しい出来事が起こります。
野菜の生長を良くする為に肥料を与えたり、たわわに育った実を収穫する時期になると、なるべく虫が寄ってこないように対策しなければいけません。
例えば、害虫を駆除する薬剤を散布する方法が一番手っ取り早いですが、自分で作る野菜はなるべく無農薬で育てたいと思っている方は多いです。
薬剤を散布する他の方法ですと、網目が細かい防虫ネットで野菜を覆ったりする方法もありますが、ネットの中に害虫が侵入して食い散らかしてしまわれるとネットを張っている意味がない状況になることもよくあります。
しかし、野菜に近寄ってくる虫たちはすべてが害虫というわけではありません。野菜作りの力になってくれる虫もいます。
みなさんもよく知っている有名な昆虫であるテントウ虫は、アブラムシがいるところにやってきてアブラムシを食べてくれる益虫です。
また、テントウ虫はアブラムシが多いところにタマゴを産みつけていきますので、タマゴからふ化したテントウ虫の幼虫もアブラムシを食べてくれる益虫です。
その他にも、クモ、トカゲ、カマキリなど野菜の生長にプラスに働く生き物は多くいます。プラスに働く生き物なのかマイナスに働く生き物なのかよく考えて対処してください。
ここでは、野菜の葉っぱなどを食べずに害虫を食べてくれる益虫を紹介します。
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2.害虫を食べてくれる無農薬で野菜を育てる大切な生き物の紹介
次に紹介する、テントウムシ、クモ、トカゲ・カナヘビ、カマキリは害虫を食べてくれる生き物です。見つけたら追い払うのではなくそっとしておいてください。
テントウムシの幼虫
テントウムシは、成虫でも幼虫でもアブラムシを見つけたら片っ端から食べてくれます。
写真は、アブラムシを捕えたテントウ虫の幼虫です。
テントウムシの成虫
テントウムシの成虫もアブラムシを食べてくれて、アブラムシがたくさんいるところに卵を産みつけてくれます。
テントウムシの産卵。黄色いのが卵で、卵からふ化した幼虫はアブラムシを食べてくれます。
クモ
クモは、クモの巣を張るタイプとクモの巣は張らずに葉っぱなどの影に隠れているタイプがいます。
写真は、クモの巣を張らないタイプのクモで、昆虫が近づいてきたら飛びかかり捕食します。
トカゲ・カナヘビ
トカゲやカナヘビは、地面の上を動いているバッタなどの昆虫を食べてくれます。
写真は、地面を移動していたオオタバコガ(アオムシ)の幼虫を捕まえて食べています。
オオタバコガの幼虫とは、野菜の葉っぱやトマトの実などを片っ端から食べる害虫です。
カマキリ
カマキリは、
- 野菜の葉っぱを食べるコナガ、アオムシ、バッタ
- 野菜の汁を吸うカメムシ
- 花や葉っぱ、トマトなどの実を食べるコガネムシ
などの害虫を駆除してくれる生き物です。
その他では、蛾や蝶など動いているものなら何でも捕食する性質があります。
3.土の中にいる益虫の紹介
次に紹介する、ミミズ、カナブン・ハナムグリの幼虫は土を耕してくれる生き物です。見つけたら駆除するのではなくそっとしておいてください。
ミミズ
ミミズがいる土は肥えているので野菜作りに適しているといわれています。
ミミズは、落ち葉などの有機物や微生物を食べて、土を耕してふかふかの状態にしてくれますので益虫だといえます。
また、ミミズの糞は団粒構造になっているので野菜の根が張りやすくなります。
カナブン・ハナムグリの幼虫
カナブンやハナムグリの幼虫は、土の中の枯れた根っこや腐葉土を食べて生きていて、幼虫が移動すると土の中を耕してくれますので、時間が経過しても土が固くなりにくくなり、初めに耕した時の排水性が保たれます。
カナブンやハナムグリの幼虫は、土の状態をよくしてくれるので益虫だといえます。
但し、注意が必要でして、カナブン・ハナムグリの幼虫に似たコガネムシの幼虫がいます。コガネムシの幼虫は植物が生長している根っこを食べて枯らしてしまいますので害虫です。
カナブン・ハナムグリ、コガネムシの見分け方:下の写真のように地面の上に置いた時にひっくり返って背中で素早く走行するのがカナブン・ハナムグリの幼虫です。それに対してコガネムシの幼虫は足でのそのそ歩きます。もし足で歩いている幼虫でしたら根っこを食害されますので駆除してください。
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