6.穂がでてきます
タネが発芽してから1カ月くらい経過すると茎の先端から穂がでてきます。
※穂が伸びきった時に草丈が150cm以上ない時は、肥料不足と水不足になっていることが考えられるので早めに補充しましょう。
穂は雄花(おばな)なので、穂が枯れ出したら花粉が飛びだしますが、トウモロコシは雌雄同株(しゆうどうしゅ)という性質をもっているので、穂(雄花)と実(雌花)は別々にできます。
トウモロコシを育てていて誰もがどこに実ができるんだという疑問を持つと思いますが、先端の穂(雄花)が伸びて咲いた後に遅れて株の真ん中くらいにわき芽(雌花)が伸びるという性質があるので、雄花と雌花は時間的に1週間くらいずれて咲くということを覚えておいてください。

7.わき芽がでてきます
穂が枯れ出したら茎と葉っぱのつけ根からわき芽が伸びてきます。
トウモロコシは雌雄異熟(しゆういじゅく)という性質を持っているので、穂が枯れ出さないとわき芽は伸びてきませんので気長に待ってください。
穂が枯れ出すとわき芽がたくさん出てくるようになるので、茎の下の方のわき芽は粒の着きが悪いので早めに切り取って、茎の上の方のわき芽を1本だけ伸ばしてください、茎の下の方の早取りしたわき芽はヤングコーンとして食べると美味しいです。
穂が枯れてもわき芽が全く出てこない場合は、タネまきや苗を植え付けた時期が遅かったり、肥料が少なかったり、日当たりが悪いなどの原因が考えられます。
わき芽は雌花(めばな)なので、伸びていくと最終的にトウモロコシの実になります。わき芽が出てこないと収穫ができないので確実にわき芽が伸びるように肥料切れにならないように育てましょう。

ヤングコーンって何?
ヤングコーンとは、わき芽が生長して間もない状態のトウモロコシのことです。
トウモロコシは1つの苗に1本しかわき芽は大きく育ちませんので、必要ないわき芽はひげが伸び出したら早めにもぎ取ってヤングコーンとして食べてください。
ヤングコーンには実はまだついていませんが、葉をはがしてこのまま全部食べれます。
甘くて美味しくカロリーも少ないのでサラダに使うと最適で、ダイエットにも有効です。

8.授粉させます
トウモロコシは、穂とわき芽は同時に伸びないので、わき芽が花粉を欲しがる状態になっても1本のトウモロコシの苗では自然の流れに任せても受粉が成立しませんし、数本のトウモロコシの苗でも受粉は難しいです。
では、トウモロコシの苗の本数が少ない家庭菜園で確実に受粉させるにはどうしたらいいのかというと、穂から花粉が飛びだしたら、穂を切って実の先端のひげ(糸状のもの)に穂をこすりつけて花粉を移動させる作業を行うことです。
実の先端のひげはいったい何なのかというとトウモロコシの実になる雌しべ(絹糸といいます)なんです。わき芽のひげは実の粒の1つ1つから伸びていて、ひげに花粉が付着すると粒が受粉する仕組みとなっているので、すべてのひげに花粉をまんべんなくこすりつけることで実着きがよくなります。
※すべてのひげに花粉が付着しないと歯抜けのトウモロコシができます。

受粉で気を付けること
トウモロコシは、穂が伸びて花粉が飛びだしてから、トウモロコシの実になるわき芽が伸びだし、花粉が飛び終わる頃にわき芽からひげが伸びだす傾向があります。
ですので、トウモロコシの苗を1本だけ育てようと考えている方は受粉が難しいというか受粉できないので気をつけてください。
トウモロコシの本数が1~2本などの少ない時に受粉させる方法としては、花粉が飛び出した頃の穂を切り取って、冷蔵庫や冷凍庫で保管してください。ひげが伸びだしたら保管してあった穂を使って受粉させるのですが確実には授粉できません。トウモロコシ栽培を成功させるコツの1つとしては、たくさんの苗を育てたくさんの穂を作り、ひげが受粉できる確率を高くすることです。

受粉に失敗するとどうなるの?
トウモロコシは、受粉に失敗すると所々粒が着かないので、下の写真のように粒がぎっしり着いていないトウモロコシしか収穫できません。
1ヶ所にかためて10本くらいのトウモロコシの苗を育てていれば人工授粉させなくても少しは粒は着きますが、確実に花粉が雌しべのひげにつくようにする為にはトウモロコシの苗は1週間くらいずつずらしながら3本以上育ててください。たくさんの本数の苗を育てた方が受粉しやすくなるので歯抜けのトウモロコシはできにくくなります。

9.トウモロコシの害虫対策
トウモロコシは、茎の芯や実を食べるアワノメイガやオオタバコガという蛾の幼虫による食害やカメムシによる実の汁を吸う被害が頻繁に発生します。
葉っぱにふんが落ちていたり、茎のどこかに穴が開いていたらどこかに害虫が潜んでいるので一度苗全体を確認してください。
そのままにしておくと実まで食べられてしまうので、補殺が難しい時は薬剤を散布して害虫対策をした方がいいです。
おすすめの薬剤についてはこちらを参考にしてください。
↓蛾の幼虫がトウモロコシの実を食べています。収穫できなくなるのでこうならないようにしてください。

↓カメムシがトウモロコシの実の汁を吸っています。

10.収穫します
受粉が成功してからおよそ3週間くらいで収穫できる大きさになり、実のひげが茶色くなって枯れたら収穫のタイミングを迎えます。
トウモロコシの収穫適期の判断は難しいので、同時に何本も栽培している方は試しに1本もぎとってみるのがいいです。収穫が早いと粒がまだ小さく生長段階で、収穫が遅いと粒の水分が少なく硬くなっています。また、収穫が遅れるとあま味も落ちるので気をつけましょう。

収穫適期に収穫することができれば、市販されているものよりも甘くておいしいトウモロコシが収穫できます。
実もの野菜を収穫する時は、実の熟度(どのくらい熟したのか)が大切です。実の粒が膨らんでいたら採れたてを生のまま食べても美味しいです。
また、収穫したてが一番鮮度がよく美味しく食べられる時で、時間の経過と共に糖度・鮮度はすぐ落ちてしまうので収穫したらその日のうちにゆでたり焼いたりして食べ切るのが理想です。
下の写真は粒が膨れ上がって収穫適期のトウモロコシですが、先端の方は受粉できなかったので実はついていません。

こちらの写真は収穫が遅れて水分が少なくなったトウモロコシです。この状態になると味は美味しくないので採り遅れのないようにしましょう。

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