6.整枝(摘芯)をします
スイカのつるの伸ばし方はいろいろあります。
例えば、一般的な方法としては、
- 親づる1本と子づるを2~3本伸ばす方法
- 親づるは伸ばさずに子づるを3~4本伸ばす方法
などがありますが、どちらの方法を使っても構いません。小玉スイカの苗を購入した時にラベルが土に突き刺してあると思いますが、その裏面に育て方が書いてあるので、その指示に従ってください。
私が購入した苗の育て方の説明は子づるを数本伸ばすと書いてあったので、子づるのみを伸ばす方法を説明します。
子づるのみを伸ばす方法
親づるの葉が5~6枚くらいになったら、葉のつけ根の節から伸びている生育がよい子づるを3~4本のみ伸ばして支柱へ誘引させましょう。
(誘引とは強風などでつるが倒れないようにする作業です。)
まずは、親づるの先端を摘芯(切り取り)します。次は、親づるの節から伸びている元気な子づるを伸ばすのですが、どれが元気な子づるなのか判断がつかない時は、子づるを見比べて伸びが弱そうなものから摘芯(切り取り)すると作業しやすいです。
↓子づるを3本伸ばしている様子。
↓つるの先端を摘芯する前の状態↓
↓つるの先端を摘芯した後の状態↓
7.受粉させます
受粉とは、雄しべの花粉が雌しべの柱頭に付着した状態のことです。スイカは人工受粉が必要な野菜なので必ず行ってください。
スイカはつるが伸びてくると次々と花が咲き始めますが、雄しべを持った雄花(おばな)と雌しべを持った雌花(めばな)の単性花なので別々に分かれて花が咲く性質があります。したがって、ミツバチなどの花粉を運んでくれる虫がいない場合は育てている人が人工授粉させないとスイカの果実は1つもできません。
人工授粉させる時は、天気がいい日(曇りでも雨でもなく気温が低くない日)の午前中に、雄花を茎から摘み取って雄花の中心(雄しべ)を雌花の中心(雌しべ)へ接触させてください。
※小玉スイカが受精するには、受粉作業後にある程度高い気温が必要になるので午前中に済ませておくのがいいです。
注意:プランターで小玉スイカを育てる時は、たくさんの個数受粉できたとしても1本のつるには1つの小玉スイカの実をつけるようにして育ててください。また、1つの苗では小玉スイカの実は3個が限界なので、それ以上の個数を育てると、実は中々大きく育たないし糖度は上がらないので気をつけてください。
(受粉作業を行う時は、数個受粉させて受粉後に数日間様子を見て、生長具合がもっとも良い上の方の節についた実を残しましょう。他の実はもったいないですが生長の妨げになるので切り取ってください。)
↓スイカの雄花は花のつけ根に膨らみがありません↓
↓スイカの雌花は花のつけ根に小さな膨らみがあります↓
小玉スイカの人工授粉の方法
人工授粉させる方法は主に2つあります。
- 雄花を切り取って雄花の中心を雌花の中心に押し当てて花粉をこすりつける方法。この方法は雄花を切らないといけないのでためらいがちになります。
- 絵具や習字などの筆を使って花粉を運ぶ方法。筆で雄しべをこすって花粉を筆につけた後に雌しべに押し当てます。
どちらの方法が簡単かというと筆を使う方法です。人工授粉は、どんな方法を使っても構いませんので、雌しべに花粉が付着すれば大丈夫です。
人工授粉が終わりましたら10~20節の間で着果できた形がよい果実を残すようにすると大きいスイカが育ちます。
↓雄花を切って受粉させる方法↓
受粉後に受精が成功したか失敗したか判断する方法
人工授粉をしたら受精が成功しているのか気になりますよね。
受精が成功したか失敗したか判断するには数日かかります。受精が成功している場合は雌花のつけ根の小さい実が大きくなっていき、受精に失敗している場合は実は大きくならずに黄色くなって枯れてしまいます。
受精を確実に成功させるためには、
- 風がない晴天の日の午前中にする
- 開花して間もない新鮮な花粉がたくさんついている雄花を使う
- 親づる子づるの地面の方から数えて5~15節目に咲く雌花に花粉をこすりつける
ということを行うと、失敗が少なくなります。
※受精に成功して空中栽培する時は、果実が大きく生長してきたらネットなどで実を包んで落ちないように吊ってください。
↓受精が成功した場合は雌花のつけ根の実は大きくなっていきます。↓
↓受精が成功した場合は、受精した実がついているつるの先を切って栄養分を実の方へ送るようにしてください。
↓受精が失敗した場合は雌花のつけ根の実は黄色くなって枯れてしまいます。↓
8.収穫します
受粉してから1~2カ月位経過すると、実が大きくなっていますので収穫してください。
実もの野菜は収穫する時の熟度がとても大切です。スイカを収穫する時の判断材料は、ヘタの部分の巻きひげが枯れた時です。巻きひげが枯れたら試しに1つ収穫してみましょう。
スイカは最適な時(完熟の時)に食べると非常に甘く、収穫時期に水やりを少なくすると甘さが増しますが、過熟して熟しすぎると美味しくなくなるので収穫する時期を気を付けてください。遅くても受粉後45日経過すると味が落ちるので、実が小さくても収穫した方がいいと思います。
スイカは90%が水分なので暑い夏には夏バテ防止としての水分補給におすすめの野菜です。
↓巻きひげが枯れ出して収穫適期となった小玉スイカ。鳥によく突っつかれていたずらされるので収穫遅れにならないように気をつけましょう。↓
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