4.生長していきます
ニンニクのタネ球から芽が出た後は、適度に肥料と水を与えていくと、草丈は30~50cmくらいに伸びます。
ニンニクは葉もの野菜ですが、土の中で球が大きくなっていくので、実際に球が生長しているのか見えないので不安になりますが、地上部の葉が枯れずに伸びていれば心配いりません。
ニンニクの栽培中の注意点は、ニンニクは乾燥に弱い野菜なので土が乾燥すると生長が悪くなりますし、水が足りないと葉の先が枯れてきます。土が乾くようなら水やりをしてください。
また、冬を迎えると暖かい季節と比べると生長がゆっくりになりますが、冬の間も少しずつ生長しているので水やりを忘れずに行ってください。
そして、暖かくなってきたら、追肥時に有機石灰を少量撒いてミネラルを補給したり、土の高さが低くなってきたら増し土してニンニクの根元を土で覆うようにすると球がしっかり生長しやすくなります。
なお、冬の寒さに当たり4月以降になるとトウ立ちしてきますので球の肥大を促す為にトウ摘みは必ず行ってください。
↓タネ球を植え付けて冬を越した状態。草丈はまだ低いです。↓
↓タネ球を植え付けてから6カ月くらい経過すると、草丈が30~50cmになります。↓
トウ立ちとトウ摘みとは何ですか?
トウ立ちとは、ニンニクのタネ球を秋に植え付けて冬を越し春になると茎が伸びて茎の先端につぼみができることです。
ニンニク栽培の目的は土の中に出きる球根を収穫することですよね。トウ立ちするとトウに栄養が送られ球の太りが悪くなるので、先端のつぼみは不要なのでそのままにはせずに摘み取ることをトウ摘みといいます。
地中にできる球の部分の他に、つぼみと伸びた上部の茎は、ニンニクの芽として料理に使うと美味しくいただけます。
5.ニンニクの病害・害虫対策
ニンニクは、栽培期間が長く病気や害虫の被害に遭いやすい野菜です。
特に発生する確率が高い病気は、モザイク病、さび病、春腐病、葉枯れ病の4つです。
- モザイク病:ウイルスが原因で葉が縮れてしまう病気(上の写真の症状)
- さび病:窒素成分を与え過ぎると葉に橙色の斑点ができる病気
- 春腐病:窒素成分を与え過ぎると葉が腐る病気
- 葉枯れ病:湿度が高い日が続くと葉が枯れてしまう病気
病気が進行してしまうと最悪の場合は根っこから株ごと処分しなければいけなくなるので異変に気がついたら薬剤を散布するなどして早めに対処してください。
また、寒い季節では害虫の被害はほとんど発生しませんが、冬が過ぎ春になり気温が暖かくなってきたら、黒い小さな虫が大量にニンニクの葉にこびりついていることがあります。
この黒い虫はアブラムシなので、ニンニクの葉の汁を吸って大きくなっていきます。
※アブラムシが原因でウイルスに感染することがあるので気を付けてください。
アブラムシの他にはイモムシも付くので、薬剤を撒くか、ピンセットで潰すかして、早めに駆除してください。
おすすめの薬剤についてはこちらを参考にしてください。
薬剤を散布したくない時は、石灰はpHの調整の他に殺菌作用があるので、苦土石灰や有機石灰などを撒いて有害な菌が減って病気の進行が止まるのか様子を見るという方法もあります。
病気にかかってしまい葉の数が少なくなったり、アブラムシなどの害虫がいると球の太りが悪くなるので気を付けて栽培してください。
↓黒いのはアブラムシなので駆除しないとどんどん増幅して増えます。
↓ニンニクの葉はイモムシに食害されます。
↓ニンニクの葉は蛾の幼虫に食害されます。
6.収穫します
ニンニクは地中にできた球根を収穫する野菜ですが、品種によって収穫時期が多少異なり、タネ球を植え付けてから約8カ月経過(月でいうと5月~7月)で収穫時期を迎えます。
収穫していいのかを見極めるタイミングとしては、
- トウ立ちしてから約1カ月経過した時
- 地上の葉が半分以上枯れた時
が挙げられます。
品種によって異なりますが4~6月にトウ立ちするのが普通なので、トウ立ちしてから約1カ月後が収穫に適しています。
もし、トウ立ちしなかった場合は、地上の葉が半分以上枯れたら収穫を行ってください。
どちらにしても、葉は枯れた状態、又は枯れかかっている状態で晴れた日に根っこが付いた状態で掘り出して収穫しますので収穫するタイミングを覚えておいてください。
なお、収穫が遅れるとニンニクの球が球割れすることがあるので気を付けてください。
※球割れとは、ニンニクの外皮が割れて中のりん片が見える状態のことです。
収穫後は、茎と根を切って風通しがよい日陰で2週間~1カ月間陰干して乾燥させてから保存してください。
ニンニクの葉が枯れた後は2カ月くらい休眠状態に入っているので常温で保管しても大丈夫です。その後も保存する時は冷蔵庫で保管してください。
ニンニクは根が肥大する根もの野菜と勘違いされやすいですが、地中で葉が変化して肥大したりん茎(りんけい)という栄養が蓄えられた部分を食用する葉もの野菜に分類されます。品種によってりん片(りんぺん)の数は異なりますが、りん茎の中に4つくらいのりん片が外側の皮に包まれてできます。
ニンニクは栽培期間が長く病気にかかりやすいですが、比較的育てやすい野菜なので是非栽培してみてください。
↓収穫したニンニク。葉っぱが枯れ始めてきたら収穫適期です。収穫後は風通しのよい場所で陰干ししてから料理に使いましょう。↓
茎の途中の膨らみや球の上部の膨らみは何ですか?
ニンニクの収穫をしていると茎の途中が膨らんでいたり地中の球の上部が膨らんでいるものがありますよね。
膨らんでいるものは何かというとニンニクのムカゴです。山芋にはムカゴができることは知られていますがニンニクにもできます。
ニンニクにムカゴができる主な要因は、トウ立ちした時にトウ摘みしなかったからです。山芋はムカゴができると地中のイモの肥大が悪くなりますが、ニンニクも同じようにムカゴができると地中の球の肥大が悪くなるのでトウ立ちしたら早めにトウを摘み取るようにしてください。
したがって、膨らんでいる部分はムカゴなので食べても大丈夫です。料理に使ってください。
↓茎にできたむかご。↓
↓球の上部にできたむかご。↓
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