4.間引き・土寄せ(増し土)をします
タネが発芽してから1カ月くらい経過するまでに、それぞれの株の葉が重ならないくらいに、株間が10cmくらいを目安として生育が悪いものから随時引っこ抜いて間引きを行います。
間引きとは、野菜と野菜との間隔を一定の長さだけ開けるために不要な野菜を抜き取る作業です。間引きをすると、日当たり、風通し、根の張り具合が改善し、結果的に根が太りやすくなります。
また、間引きや追肥を行うついでに、株元に土を寄せる土寄せ(増し土)も一緒に行い根が土の表面から露出しないように管理して育てましょう。土から露出して太陽の光が当たったニンジンは緑色に変色して見た目が悪くなります。
5.ニンジンの害虫対策
ニンジンを育てる時に特に気をつけないといけないことは葉を食べられる前に害虫被害を防ぐことです。
ニンジンは害虫被害が多い野菜なので、害虫対策を何もしていないと葉を全て食べられてなくなってしまうことがあります。
ニンジン栽培で特に遭遇する確率が高い害虫は、
の3種類です。
アゲハ蝶や蛾がニンジンの近くを飛んでいたら葉の裏側に卵を産みつけている可能性があります。そのままにしておくと卵からふ化した幼虫は葉を食べつくしてしまうので見つけ次第ピンセットなどで潰してください。
ニンジンに肥料を大量に与えるとアブラムシがどこからかやってきてどんどん増殖して葉全体にびっしりこびり付いてしまうので肥料の与えすぎに気をつけて育ててください。
また、アブラムシはウイルスを媒介する厄介な害虫でもあるので、アブラムシをそのままにしておくとニンジンが病気に掛かり枯れてしまう恐れがあるので薬剤を撒くなどの対策を講じてください。
↓ニンジンの葉を食べるキアゲハの幼虫↓
↓ニンジンの葉を食べるイモムシ↓
↓葉全体に大量増殖して汁を吸うニンジンアブラムシ↓
6.収穫します
ニンジンは、タネまきから収穫までの期間は3~4カ月くらい掛かり、ニンジンの肩のあたりの直径が6cmくらいになったら根元から引っ張って収穫します。
また、高温多湿が苦手で気温が低い季節を好むので、タネは春か夏の終わりにまいて発芽させると1年中育てることができニンジンの収穫を楽しむことができます。但し、11~2月は発芽温度に達しないので育てることはできません。
タネまきから3~4カ月くらいして、ニンジンの葉っぱがだいぶ大きくなってきたら収穫時期となります。葉っぱが黄色く変色して枯れる前に収穫してください。
収穫が遅れると根が縦に割れたり、3月まで収穫せずにそのままにしておくとトウ立ちが始まって味が落ちるので気をつけてください。
底が浅いプランターで育てると根が真っ直ぐ伸びていかなくなるので、ニンジンの長さ以上となるようにプランターへ土を入れてください。
ニンジンは大きく分けると東洋種と西洋種があります。東洋種は根が長く赤い色をしたニンジン、西洋種は根が短くオレンジ色をしたニンジンで、一般的に出回っているニンジンといえば西洋種が多いです。
↓ニンジンの肩が埋まっている時は土の表面を掘ってみて、肩の直径が6cmくらいになっていたら収穫してください。↓
甘いニンジンを収穫するには
ニンジンは秋から冬まで栽培する野菜なので気温の低下に見舞われると、自ら糖分を増加させて葉や根が寒さで凍りつかないようにして生き抜く性質を持っています。
※普通の水よりも砂糖水(糖分を含んだ水)の方が凍りつく温度が低くなります。
糖分が増加するとどうなるのかというと甘味が増すので、霜が降りてから収穫すると一段と美味しいニンジンを食べることができます。
また、化成肥料だけで育てるよりも有機質肥料も一緒に使うと、甘みと香りがよいニンジンが収穫可能です。
↓オレンジ色の西洋種のニンジンです。根っこ、葉っぱ共にβカロテンが豊富な甘くて柔らかいニンジンが収穫できます。↓
ニンジン栽培で気をつけること
ニンジンは順調に栽培できれば真っすぐに生長した個体が収穫できますが、土の中に石などの障害物があったり、根が伸びる先に化成肥料や未熟な肥料があったりすると根が真っすぐ伸びなくなりいくつかに枝分かれして伸びていくようになります。
また、ネコブセンチュウという害虫によっても根にコブができて真っすぐ伸びなくなるので注意が必要です。
↓ネコブセンチュウに侵されたんでしょうか。三股に分かれたニンジンができました。↓
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