4.生長していきます
適度に肥料と水を与えていくと、キャベツは結球して球はどんどん大きく育っていきます。
※外葉が大きい程、結球する球のサイズは大きくなります。
正常な状態だと中心の葉っぱは結球して段々丸まって大きくなっていきますが、ある程度日数が経過しても球になっていかない時は肥料が少ない可能性があります。追肥は結球が始まる前までは少し多めに与えて肥料切れにならないようにしましょう。結球が始まってから肥料をたくさん与えても球は大きくなりませんよ。
キャベツは結球しない葉(外葉)と結球する葉(結球葉という中心部分の葉)の2種類で構成されています。外葉の役割は光合成を行ってエネルギーを作りだし株を生長させる葉で中心部分の葉はエネルギーを蓄える葉です。
したがって、外葉が小さいと結球のサイズは小さくなりますし、葉っぱの数が15枚以下で厳しい寒さに当たると結球しなくなるのでタネまき時期が遅くならないように注意してください。
キャベツを失敗なく育てるには、以上の通り、肥料とタネまき時期の2点に注意して育ててもらうことと、日当たりが良い場所を好むので日光にたくさんあてるようにしてください。
↓タネまきから1カ月くらい経過した状態。球はまだ大きくなっていません。↓
↓タネまきから2カ月くらい経過すると、キャベツの球は大きく育っていきます↓
5.キャベツの害虫・鳥害・病害対策
キャベツを育てる時に気をつけないといけないことは、アオムシに葉を食べられたりアブラムシに汁を吸われて生長が悪くなることです。
特にモンシロチョウは頻繁に寄ってきて葉っぱに卵を産みつけていき、卵からふ化した幼虫に葉っぱをすべて食べつくされてしまうので気をつけてください。
害虫対策としては、寒冷紗(かんれいしゃ)などのネットで覆う、害虫用の薬剤を散布する、卵のうちにピンセットで潰すかして葉が食べられないような手段を考えましょう。モンシロチョウはレタスを嫌う性質があるので近くでレタスを育てることも害虫対策となります。
おすすめの薬剤についてはこちらを参考にしてください。
↓葉っぱに産みつけられたモンシロチョウの卵は1週間くらいでふ化します。
↓葉っぱに産みつけられたイモムシの卵も1週間くらいでふ化します。
↓卵からふ化して葉を食べているアオムシ。
↓アオムシの他にはコナガにも葉は食べられます。
↓コナガの他にはイモムシにも葉は食べられます。
↓キャベツの葉に寄生して増殖していくアブラムシ。病気の原因にもなります。
↓どこからかオンブバッタが近づいてきて葉を食べられます。
↓葉から汁を吸うナガメ。
↓葉の中に入り込み組織を食べるハモグリバエの幼虫。
また、冬はヒヨドリが寄ってきて結球した栄養満点の葉っぱを食べていくので食べられないように対策を施してください。
↓ヒヨドリに葉を食べられてボロボロになったキャベツ。
害虫・鳥害の他に、キャベツなどの葉もの野菜に多く発生するトラブルは軟腐病(なんぷびょう)などの病気が有名です。
軟腐病に感染すると、地表付近の茎や葉っぱが腐敗してドロドロになっていく恐ろしい病気です。土の中の細菌が傷口から侵入することで発病します。連作すると軟腐病にかかりやすくなるので同じ土で同じ野菜ばかり育てずに輪作を心がけましょう。
6.茎が伸びて花が咲くトウ立ちを防ぐ方法
キャベツは地表付近で中心の葉っぱが結球するのが普通ですが、タネまきする時期が遅れると上の写真のように葉っぱが結球せずに茎が伸びていくようになり最後には花が咲いてしまいます。
キャベツの葉っぱが結球せずに茎がどんどん伸びていくのは春化してトウ立ちしてしまったからです。
※春化(しゅんか)とは、冬の低温に一定期間さらされるとつぼみをつけて花が咲く準備がされることです。春化した場合は春になると茎が伸びて立派な花が咲きタネを作ります。
トウが立つと何がいけないのかというと、根っこから吸収した栄養分が茎と花の生長に使われるようになるので、食べる部分の葉っぱの味が落ちてしまいまずくて食べれなくなることです。
キャベツはトウ立ちして春になると花を咲かせる性質がありますが、こまつな、白菜、ダイコン、ニンジン、ホウレンソウなども春にトウ立ちして花が咲くので気をつけてください。キャベツはアブラナ科の野菜なので菜の花と同じ形の花(花弁が4枚で黄色い花)が咲きます。
※ホウレンソウは温度ではなく日長の影響でトウ立ちします。
トウ立ちを防ぐ基本は、タネ袋に書いてある正しい季節にタネをまくのを守ることです。
また、トウが立ちにくい晩抽性の品種のタネを選ぶことでもトウ立ちはある程度防ぐことができます。
※晩抽性(ばんちゅうせい)のタネは春化までの日数が長い品種のことです。
↓トウ立ちして花が咲いたキャベツ
7.収穫します
キャベツは、タネまきから収穫までの期間は3~8カ月くらい掛かり、球の大きさが直径15cm以上に育ってきたら、そして、球が硬くしまってきたら根元を包丁などの刃物で切って収穫します。
キャベツは、タネを夏まきすると害虫の被害が多いですが、秋まきすると害虫の被害は落ち着くので、秋口から栽培を始めると育てやすいと思います。
水やりと肥料を上手に与え厳しい寒さの中で育てることができると非常に甘いキャベツが収穫できます。外側の葉はビタミンK、芯付近はビタミンUが多く含まれていて、無農薬で栽培してキャベツを丸ごと食べてみましょう。
↓球が大きくなり、硬く締まったら収穫時期を迎えます。
甘いキャベツを収穫するには
キャベツは夏から冬まで栽培する野菜なので気温の低下に見舞われると、自ら糖分を増加させて葉や根が寒さで凍りつかないようにして生き抜く性質を持っています。
※普通の水よりも砂糖水(糖分を含んだ水)の方が凍りつく温度が低くなります。
糖分が増加するとどうなるのかというと甘味が増すので、霜が降りてから収穫すると一段と美味しいキャベツを食べることができます。
↓厳しい寒さの中で育てると甘みが増したキャベツが収穫できます↓
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