4.間引きをします
タネが発芽してから1カ月くらい経過するまでに、それぞれの株の葉が重ならないように株間10~15cmくらいとなるように生育が悪いものから順に抜き取って間引きを行います。
間引きとは、野菜と野菜との間隔を一定の長さだけ開けるために不要な野菜を抜き取る作業です。間引きをすると、日当たり、風通し、根の張り具合が改善して、野菜が大きく生長していくようになります。

5.ホウレンソウの病害・鳥害対策
ホウレンソウを育てる時に特に気をつけないといけないことは、土が酸性に傾いて生育が悪くなることです。状況が悪いと全く生長せずに枯れてしまうことがあるので土は必ず中性付近(pH7.0くらい)にして育ててください。pHの確認方法は酸度計を使えば簡単にわかります。pHが低い時は苦土石灰を土に混ぜ合わせてください。
また、ホウレンソウ栽培で多い病気は、タネが発芽してもすぐ枯れる、葉っぱが3枚くらいになったら枯れるという苗立枯病です。発芽後の若苗の時に水のやりすぎや大雨が降って起こりやすくなるので水の与えすぎに気をつけてください。
↓発芽して間もないホウレンソウが枯れました↓

もう1つ気をつけないといけないことは鳥に葉っぱを食べられないようにすることです。ヒヨドリは冬になるとホウレンソウを好んで食べにきますので気がついたら下の写真のように葉っぱがなくなっていることがあります。ヒヨドリの鳴き声がしたら追い払うようにしましょう。
↓ヒヨドリに食べられたホウレンソウ↓

6.茎が伸びて花が咲くトウ立ちを防ぐ方法

ホウレンソウは葉っぱだけが大きくなるのが普通ですが、上の写真のように季節外れの時期にタネまきをすると中心部分からつぼみが付いた茎が伸びてくるようになり最後には花が咲いてしまいます。
ホウレンソウの中心部分からつぼみがついた茎がどんどん伸びてくるのは春化してトウ立ちしてしまったからです。
※春化(しゅんか)とは、冬の低温に一定期間さらされるとつぼみをつけて花が咲く準備がされることです。春化した場合は春になると茎が伸びて立派な花が咲きタネを作ります。
タネを採取する方はトウ立ちさせなければいけませんが、ホウレンソウの葉を収穫する方はトウが立つと何がいけないのかというと、根っこから吸収した栄養分が茎と花の生長に使われるようになるので、食べる部分の葉っぱの味が落ちてしまいまずくて食べれなくなることです。
ホウレンソウはトウ立ちして春になると花を咲かせる性質がありますが、白菜、キャベツ、ダイコン、ニンジン、こまつななども春にトウ立ちして花が咲くので気をつけてください。
※ホウレンソウは0℃の低温と12時間以上の日長の影響でトウ立ちします。
トウ立ちを防ぐ基本は、タネ袋に書いてある正しい季節にタネをまくのを守ることです。また、トウが立ちにくい晩抽性の品種のタネを選ぶことでもトウ立ちはある程度防ぐことができます。
※晩抽性(ばんちゅうせい)のタネは春化までの日数が長い品種のことです。
7.収穫します

ホウレンソウは、タネまきから収穫までの期間は3カ月くらい掛かり、草丈が20cm以上で葉が10枚くらいになったら刃物で根元から切り取って収穫します。
ホウレンソウは温度管理すれば1年中栽培できますが、おいしく食べれる旬の季節は冬です。特に12月~1月の厳しい寒さの中で育てると、甘味が増し害虫被害も少なく状態のよいホウレンソウが収穫できます。
東洋種、西洋種、雑種を葉で見分ける方法は、東洋種は葉にギザギザがあり、西洋種は葉にギザギザがなく、雑種は両方の特徴を持っています。
また、ホウレンソウの葉の状態は、11月は葉が立って生長して、12月からは葉が地面近くをはうように放射状に広がり太陽の光を多く浴びてビタミンCや糖分が多くなる傾向があります。
※砂糖水が凍りにくい現象と同じように、ホウレンソウは気温が低くなると細胞が寒さで凍結して壊れて枯れないように糖度を増やして春になるまで耐えています。
つまり、地面の上に葉が広がっているホウレンソウの方が甘さと栄養価が高いということです。
ホウレンソウを食べる時は、約2分間ゆででアク抜きをしてください。アクとは、苦味・渋味のようなエグ味、不快な味のことです。アクの元はシュウ酸なので、ゆでればシュウ酸は減ります。
なお、アク(シュウ酸)が少ない品種のホウレンソウなら生で食べても苦味・渋味はありませんし、寒さに十分当てたホウレンソウも甘いのでゆでなくても食べられます。
ホウレンソウは収穫後も呼吸をしているので時間の経過と共に栄養が減っていきます。保管する場合は冷蔵庫に入れて置くと栄養の減りが抑えられます。
↓寒くなる前に収穫したホウレンソウは甘くありません。葉が立っています。

↓寒くなってから収穫したホウレンソウは甘いです。葉が広がっています。

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