プランターを使ってホウレンソウの育て方

プランターの家庭菜園(ホウレンソウの収穫)

市民農園を借りなくてもプランターを使えば家庭菜園を楽しむことができます。

プランターを使ったホウレンソウの育て方を覚えて家庭菜園を始めてみませんか。

ホウレンソウのタネまきに適した季節は9月です。

菜園道具の揃え方、タネまき、追肥、間引き、収穫までのホウレンソウ栽培で行う作業方法をわかりやすく解説しています。

目次

スポンサーリンク

 

1.ホウレンソウを育てる為の前準備

ホウレンソウの種まきと収穫時期

ホウレンソウの体への効用
βカロテン当量:4200μg(可食部100gあたり)
ホウレンソウは、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、ミネラル、食物繊維が多く含まれている緑黄色野菜で、こまつなと同じくらい栄養豊富な野菜です。
βカロテンは抗酸化作用、ビタミンCは免疫力アップ、ビタミンEは肌の老化予防、ミネラルのカリウムは高血圧予防、鉄は貧血予防、食物繊維はコレステロール値を下げる効果があります。また、カロテノイドの一種でルテインという成分が含まれているので目を良くする働きもあります。
ホウレンソウはシュウ酸を含む為に必ずアク(エグ味)があるので、ゆででアクを取った後におひたしや炒めものなどいろいろな料理に使える栄養価の高い野菜です。
ホウレンソウの基本栽培情報
難易度:難しい
野菜の分類:ヒユ科
日当たり:日なたがよい
プランターの深さ:10cmくらいの浅型でもいいですができれば深型の方がいいです。
栽培に適した時期:9~翌年1月
タネまき:9月(タネが硬いので中々発芽しませんが1週間待てば発芽します。)
連作障害:あり。同じ土では1年休むのがよい
人工授粉:いらない
収穫時期:12~翌年1月
用意する主な資材
ホウレンソウのタネ:次郎丸、日本ほうれんそうという品種がおすすめです
プランター:普通サイズのプランター
培養土:元肥入りで団粒構造になっているもの
肥料:肥料の表面がコーティングされている被覆肥料や速効性の液体肥料が使いやすいです

まず初めは、タネをまく前準備として、野菜作りに適したプランターと土を用意します。
こちらを参考にしてください。

<おすすめの培養土>

商品名:アイリスオーヤマ ゴールデン粒状培養土14L
説明:保水性・通気性・排水性に優れた粒状の培養土なので、野菜の根は張りやすく、一般的な培養土よりも生育が良いのが特徴。初心者でも扱いやすいです。

<おすすめのプランター>

商品名:アイリスオーヤマ レリーフプランター650
説明:ベランダ栽培でおすすめのスノコ付きのプランター。狭い場所に最適!ベランダに置くスペースが狭い方におすすめのプランターです。小柄なプランターですがしっかり育てられます。この大きさで土は15L程入り、ホウレンソウは10cmくらいの株間で育ててください。

ホウレンソウのタネはこちらの楽天市場のショップからでも購入できます。

 

2.プランターへタネをまきます

ホウレンソウのタネ撒き

ホウレンソウは日当たりが良い場所を選んでプランターを使った家庭菜園を行うのですが、栽培のコツがいるので大きいホウレンソウを収穫するには難易度が少し高めになるので育て方をしっかり覚えてください。

ホウレンソウを育てる時のポイントは、土のpHを中性付近に調整することと肥料切れを起こさないことです。

ホウレンソウはpH5.0くらいの酸性土では全く育たないのでpH7.0くらいに中和する必要があります。市販の新品の培養土を使う時でも苦土石灰を混ぜ合わせた方がいいです。

無論、1回野菜を育てた培養土を使う時は、苦土石灰を土に混ぜ込んで土のpHを中和し、元肥とする肥料を土と混ぜ合わせてホウレンソウが育ちやすい状態にしてからタネまきをしてください。

苦土石灰は土の表面が薄ら白くなる程度よりも多めに、肥料は有機質肥料化成肥料をスプーン1~2杯くらいを目安とします。

また、ホウレンソウは肥料が少ないと大きく育ちません。葉が枯れ出したら肥料が少ない状態なので気をつけましょう。

ホウレンソウを育てる時のポイントがわかったところで、次はタネの説明をします。

ホウレンソウのタネは、次のように、東洋種、西洋種、雑種の3種類があります。

  • 東洋種:トゲがあり平ぺったい形のタネ。葉の肉厚は薄くアクが少なく味がよいのが特徴です。
  • 西洋種:トゲがなく丸い形のタネ。葉の肉厚は厚くおいしいのが特徴です。
  • 雑種:タネはトゲ形と丸形の両方があります。東洋種と西洋種の特徴を持っており次郎丸という品種が有名です。

ホウレンソウのタネの選び方は、春から育てる時は春まき用の品種のタネ(主に西洋種など)、秋から育てる時は秋まき用の品種のタネ(東洋種、雑種)を選ぶのがいいと思います。

ホウレンソウは、春からと秋から育てられますが、本来寒さに強く暑さに弱いという性質があるので秋~冬に育てるのがおすすめです。また、秋から育てて寒さに当てた方が甘みが増します。こんな甘いホウレンソウ今まで食べたことがないというくらい甘いので寒さに当ててみてください。

したがって、タネをまくのに適した時期は9月です。9月にタネをまけば12月に収穫できます。害虫被害はあまりありませんがヒヨドリが葉っぱを食べにくるので食べられないように管理してください。

ホウレンソウのタネはプランターへ直に1cmくらいの深さで2cm間隔ですじまきします。タネまき後は発芽するまでは土を乾燥させないようにしましょう。1週間~10日くらいで発芽します。
※タネまき後に発芽しない、生長しないという問題が起こるので、タネまきする時はタネ袋に書いてあるタネのまきどきを必ず守ってください。

プランターへタネをすじまきする方法は、こちらを参考にしてください。

水やりは朝や昼が適していますが、特に時間帯を気にしなくても大丈夫です。
但し、冬は夜に水やりをすると凍ってしまうので昼間にやってください。

日当たりの関係がありますが、冬でも水やりをしなければ野菜がしおれてしまうと思います。

↓タネまき後1週間程で発芽します↓
ホウレンソウ(タネの発芽)

3.追肥します

タネが発芽したら、定期的(1~2週間に1回)に肥料を与えます。追肥には、肥料の効果に速効性がある液体肥料を水やりの代わりとして与えるか、又は緩効性の化成肥料をスプーン1杯くらいがいいです。

ホウレンソウは肥料の量は普通で構いませんが、 葉の色が薄い黄緑色になったり枯れ出したりしたら、肥料が少ない状態ですのでその都度肥料を適度に与えてください。
※マンガン不足でも葉が黄色くなります。

注意することは、ホウレンソウは他の野菜よりも硝酸を貯蔵する量が多いので窒素肥料はあまり与えて育てない方がいいです。葉っぱが深緑色していたら窒素肥料が多いのでやりすぎないようにしてください。

追肥をする方法は、こちらを参考にしてください。

<おすすめの液体肥料>

商品名:ハイポネックス原液 800ml
説明:価格が安く野菜以外にもいろいろな植物に使うことができるコストパフォーマンスに優れた万能タイプの液体肥料です。野菜に使う時は原液を水で500倍に薄めて1週間に1回水やりの代わりとして使います。

<おすすめの化成肥料>

商品名:住友化学園芸 マイガーデン ベジフル 700g
説明:有機質と肥料の3要素(窒素・リン酸・カリ)以外にマグネシウムも少し入っていて、野菜に優しい緩効性の効き目で粒状の化成肥料。プランターへばら撒くだけの簡単作業なので初心者でも扱いやすいです。

スポンサーリンク

 

4.間引きをします

タネが発芽してから1カ月くらい経過するまでに、それぞれの株の葉が重ならないように株間10~15cmくらいとなるように生育が悪いものから順に抜き取って間引きを行います。

間引きとは、野菜と野菜との間隔を一定の長さだけ開けるために不要な野菜を抜き取る作業です。間引きをすると、日当たり、風通し、根の張り具合が改善して、野菜が大きく生長していくようになります。
ホウレソウ(間引き)

5.ホウレンソウの病害・鳥害対策

ホウレンソウを育てる時に特に気をつけないといけないことは、土が酸性に傾いて生育が悪くなることです。状況が悪いと全く生長せずに枯れてしまうことがあるので土は必ず中性付近(pH7.0くらい)にして育ててください。pHの確認方法は酸度計を使えば簡単にわかります。pHが低い時は苦土石灰を土に混ぜ合わせてください。

また、ホウレンソウ栽培で多い病気は、タネが発芽してもすぐ枯れる、葉っぱが3枚くらいになったら枯れるという苗立枯病です。発芽後の若苗の時に水のやりすぎや大雨が降って起こりやすくなるので水の与えすぎに気をつけてください。

↓発芽して間もないホウレンソウが枯れました↓
ホウレンソウが枯れる

もう1つ気をつけないといけないことは鳥に葉っぱを食べられないようにすることです。ヒヨドリは冬になるとホウレンソウを好んで食べにきますので気がついたら下の写真のように葉っぱがなくなっていることがあります。ヒヨドリの鳴き声がしたら追い払うようにしましょう。

↓ヒヨドリに食べられたホウレンソウ↓
ヒヨドリに食べられたホウレンソウ

6.茎が伸びて花が咲くトウ立ちを防ぐ方法

トウ立ちしたホウレンソウ

ホウレンソウは葉っぱだけが大きくなるのが普通ですが、上の写真のように季節外れの時期にタネまきをすると中心部分からつぼみが付いた茎が伸びてくるようになり最後には花が咲いてしまいます。

ホウレンソウの中心部分からつぼみがついた茎がどんどん伸びてくるのは春化してトウ立ちしてしまったからです。
※春化(しゅんか)とは、冬の低温に一定期間さらされるとつぼみをつけて花が咲く準備がされることです。春化した場合は春になると茎が伸びて立派な花が咲きタネを作ります。

タネを採取する方はトウ立ちさせなければいけませんが、ホウレンソウの葉を収穫する方はトウが立つと何がいけないのかというと、根っこから吸収した栄養分が茎と花の生長に使われるようになるので、食べる部分の葉っぱの味が落ちてしまいまずくて食べれなくなることです。

ホウレンソウはトウ立ちして春になると花を咲かせる性質がありますが、白菜、キャベツ、ダイコン、ニンジン、こまつななども春にトウ立ちして花が咲くので気をつけてください。
※ホウレンソウは0℃の低温と12時間以上の日長の影響でトウ立ちします。

トウ立ちを防ぐ基本は、タネ袋に書いてある正しい季節にタネをまくのを守ることです。また、トウが立ちにくい晩抽性の品種のタネを選ぶことでもトウ立ちはある程度防ぐことができます。
※晩抽性(ばんちゅうせい)のタネは春化までの日数が長い品種のことです。

7.収穫します

ホウレンソウの収穫適期

ホウレンソウは、タネまきから収穫までの期間は3カ月くらい掛かり、草丈が20cm以上で葉が10枚くらいになったら刃物で根元から切り取って収穫します。

ホウレンソウは温度管理すれば1年中栽培できますが、おいしく食べれる旬の季節は冬です。特に12月~1月の厳しい寒さの中で育てると、甘味が増し害虫被害も少なく状態のよいホウレンソウが収穫できます。

東洋種、西洋種、雑種を葉で見分ける方法は、東洋種は葉にギザギザがあり、西洋種は葉にギザギザがなく、雑種は両方の特徴を持っています。

また、ホウレンソウの葉の状態は、11月は葉が立って生長して、12月からは葉が地面近くをはうように放射状に広がり太陽の光を多く浴びてビタミンCや糖分が多くなる傾向があります。
※砂糖水が凍りにくい現象と同じように、ホウレンソウは気温が低くなると細胞が寒さで凍結して壊れて枯れないように糖度を増やして春になるまで耐えています。

つまり、地面の上に葉が広がっているホウレンソウの方が甘さと栄養価が高いということです。

ホウレンソウを食べる時は、約2分間ゆででアク抜きをしてください。アクとは、苦味・渋味のようなエグ味、不快な味のことです。アクの元はシュウ酸なので、ゆでればシュウ酸は減ります。

なお、アク(シュウ酸)が少ない品種のホウレンソウなら生で食べても苦味・渋味はありませんし、寒さに十分当てたホウレンソウも甘いのでゆでなくても食べられます。

ホウレンソウは収穫後も呼吸をしているので時間の経過と共に栄養が減っていきます。保管する場合は冷蔵庫に入れて置くと栄養の減りが抑えられます。

↓寒くなる前に収穫したホウレンソウは甘くありません。葉が立っています。
ホウレンソウの収穫(寒くなる前)

↓寒くなってから収穫したホウレンソウは甘いです。葉が広がっています。
ホウレンソウの収穫(寒くなってから)

トップページへプランターで野菜を育てるこのページのトップへ

スポンサーリンク