庭を耕してとうもろこしの育て方

庭先の家庭菜園(とうもろこしの収穫)

広い市民農園を借りなくても自宅の庭先で家庭菜園を楽しむことができます。

庭先を使ったとうもろこしの育て方を覚えて家庭菜園を始めてみませんか。

とうもろこしのタネまきに適した季節は4~5月です。

自宅の庭の耕し方、タネまき、苗の植え付け、追肥、収穫までのとうもろこし栽培で行う作業方法をわかりやすく解説しています。

目次

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1.とうもろこしを育てる為の前準備

とうもろこしの種まきと収穫時期

とうもろこしの体への効用
エネルギー:92kcal(可食部100gあたり)
とうもろこしはエネルギーが高く、糖質、ビタミンB(糖質、脂質の代謝の必要)、カリウム(血圧を正常に保つ)などの栄養素が豊富です。
また、食物繊維が豊富なので腸の働きを活発にして便秘予防の効果、リノール酸も豊富なので動脈硬化予防にも一役買います。
とうもろこしの基本栽培情報
難易度:普通
野菜の分類:イネ科
日当たり:日なたが良い
栽培に適した時期:4~8月
タネまき:4~5月(初心者の方でもタネから簡単に育てられます。)
苗の植付け時期:4~6月
収穫時期:7~8月
収穫量:1~2個
連作障害:特にないが同じ土では1年休むとよい
肥料の効かせ方:肥料切れにならないように栽培全期間でこまめに与える
人工授粉:必要。苗の本数が少ない時は茎の先端の穂(花粉)を実のひげ(雌しべ)にこすりつけてください
注意事項:確実に授粉できるようにするために苗を2本以上育ててください
用意する主な資材
とうもろこしのタネや苗:ゴールドラッシュ、ゆめのコーン、味来(みらい)という品種がおすすめです
肥料:肥料成分が8-8-8の化成肥料が使いやすいです
支柱:特に要りません

まず初めは、苗を庭に植え付ける前の準備として、庭を耕して野菜作りに適した土に改良します。
こちらを参考にしてください。

自宅の庭先ではなく小さな畑で本格的に野菜を作りたいとお考えの方は、タネ、苗、道具、資材が準備されているシェア畑のご利用がおすすめです。

とうもろこしのタネはこちらの楽天市場のショップからでも購入できます。

 

2.苗を用意します

とうもろこしは、自分でタネをまいて苗を育ててもいいですし、ホームセンターやインターネットの通信販売などでも苗を購入できます。

とうもろこしはタネからでも比較的簡単に育てられるので、ホームセンターでタネを購入してみてください。

タネから苗を育てる場合は庭へ直まき(1ヶ所に3粒ずつまいていく点まき)して、タネが発芽したら間引きながら1ヶ所に1苗となるようにします。発芽温度が高いので暖かくなってきてた4月下旬頃からタネまきするといいです。

収穫までに3カ月かかるので、遅くても5月下旬までにはタネまきを終わらせましょう。また、タネの発芽後は確実にとうもろこしを受粉させる為に苗を数本育ててください。

庭へ直接タネをまく方法以外ではビニールポットで育てることができます。

タネから苗を育てようと考えている方は、こちらを参考にして育ててください。

水やりは朝や昼が適していますが、特に時間帯を気にしなくても大丈夫です。土の表面が乾いている事に気が付いたら、その都度水を与えてください。

日当たりの関係がありますが、
春は朝~昼に、
夏は朝~夕方に、水やりをしなければ野菜がしおれてしまうと思います。

特に、穂(雄花)が伸びだす頃は水が多く必要なので土を乾燥させないようにしましょう。

苗を購入する場合は、こちらを参考にして良い苗を選んでください。

とうもろこしの苗

3.苗を庭へ植えつけます

庭へタネを直まきした方は、苗を植えつける作業はありませんので次の項(4.支柱を立てて誘引)に進んでください。

暖かくなった5月上旬頃に苗をしっかりと耕した庭へ植えつけます。
(植えつけに適した苗は、本葉が4~5枚くらいになったものです。)

注意:庭で育てる時は、とうもろこしの苗を植え付ける前までに必ず苦土石灰でpHを中和して、元肥の肥料を土に混ぜ合わせ土壌を整えてください。

苦土石灰は植え付け2週間前に1m2あたり120g(土の表面が薄ら白くなる程度)、堆肥は1m2あたり2kg、肥料は有機質肥料化成肥料を1m2あたり200gくらいを目安とします。

植えつける時は、畝の高さを10cm、株と株との間隔は30cm離してください。

植え付けが終わりましたら、たっぷりの量の水やりをしましょう。

とうもろこしは肥料をたくさん消費するので土の中の余分な栄養を吸収してくれます。また、アルカリ性の土を緩和する働きもするので、土をきれいにしたい時にとうもろこしを育てるのもおすすめです。

庭への植えつけ方法は、こちらに詳しく書いてありますので参考にしてください。

とうもろこしの苗を庭へ植えつけ

4.支柱を立てて誘引します

とうもろこしは、支柱を立てて誘引する必要はありませんが、台風などの強い風が吹くと茎が根元から倒れることがあります。

誘引したい時は、柔らかいひもを使って8の字の形にして支柱と茎を結びつけてください。
※支柱は100円ショップでも購入できます。

誘引とは苗が倒れないようにする作業のことです。
とうもろこし(誘引)

5.追肥をします

苗を植えつけた後、様子をみながら定期的(2週間に1回)に肥料を与えます。

目安としては、草丈が10cmと50cmの頃に1mあたり化成肥料を30g与えます。

とうもろこしは、肥料をたくさん好むので多めに与えてもつるボケの心配はありません。地面に近い葉が枯れ出したら肥料切れのサインなので様子を見ながら与えましょう。

追肥をする方法は、マルチフィルムをめくるか野菜が植えつけてあるマルチフィルムの穴からスプーンなどを使って、肥料をうねの脇にまいていきます。

追肥をする方法は、こちらを参考にしてください。

肥料が効きすぎているかの判断は、こちらを参考にしてください。

おすすめの化成肥料

栄養素がN-P-K=8-8-8でバランスよく配合されているので使いやすい化成肥料。値段が安いので広い栽培面積での野菜作りに最適です。

アイリスオーヤマ 肥料 有機入り 化成肥料 8-8-8 5kg

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6.穂がでてきます

タネが発芽してから順調に生長すると、1カ月くらい経過したら茎の先端から穂が伸びてきます。

伸びてくる穂は何かというと、雄花(おばな)なので穂が枯れると花粉が飛びだしてきて雌しべに付着すると受粉する働きをします。とうもろこしは雌雄同株(しゆうどうしゅ)という性質をもっているので、穂(雄花)と実(雌花)は別々にできます。

とうもろこしを育てていて誰もがどこに実ができるんだという疑問を持つと思いますが、先端の穂(雄花)が伸びて咲いた後に遅れて株の真ん中くらいにわき芽(雌花)が伸びるという性質があるので、雄花と雌花は時間的に少しずれて咲くことを覚えておいてください。

穂が伸びだした頃の注意点ですが、茎の草丈が150cm以下の時は生育が悪いので、肥料、水やりを多めにして茎の生長を促してください。

とうもろこしの穂(庭)

7.わき芽がでてきます

穂が枯れ出したら茎と葉の根元からわき芽が伸びてきます。

とうもろこしは雌雄異熟(しゆういじゅく)という性質を持っているので、穂が枯れ出さないとわき芽は出てこないので気長に待ってください。

もし、穂が枯れ出して花粉が飛びだしてもわき芽が全く出てこない時は、タネをまいた季節や苗を植え付けた季節が遅かったり、肥料不足になっていたり、日当たりが悪いなどの理由が考えられます。

順調に育っていれば、茎と葉のつけ根からわき芽がたくさん出てくるようになります。茎の下の方のわき芽は早めに取り除いて、茎の上の方のわき芽を1~2本だけ伸ばします。取ったわき芽はヤングコーンとして食べてください。
※わき芽を取らずに育てると栄養分が全てのわき芽の生長に使われるので実は大きく育ちません。

わき芽は雌花(めばな)なので受粉すると最終的に粒がついて実になります。大きな実を作る為には必ずわき芽の数を減らして育てるようにしましょう。
とうもろこしのわき芽(庭)

不要なわき芽はヤングコーンとして食べるのがおすすめ

とうもろこしはわき芽がたくさん出てきますが、わき芽は1~2本しか育てられませんので必要ない茎の下の方のわき芽は早めにもぎ取ってヤングコーンとして食べてください。熟したとうもろこしよりもカロリーは低いのでサラダに使ったり、ダイエットに使ってもおすすめです。

ヤングコーンには粒はまだついていませんが、葉をはがしてこのまま全部食べれます。甘く美味しいです。
ヤングコーン

8.授粉させます

穂から花粉が飛びだしたら、穂を切って実の先端のひげに穂(花粉)をこすりつけてください。

ひげは雌しべなので1本1本は実の粒とつながっています。ひげに花粉が付くと受粉して粒が大きくなっていくので、ひげ全体に花粉をこすりつけてください。

とうもろこしの人工授粉(庭)

授粉に関する注意点

とうもろこしは、花粉が飛びだしてからわき芽が伸びだす性質があるので、苗を1本のみ育てるとわき芽からひげが伸びだす前に穂の花粉はなくなってしまい受粉することが困難になってしまいます。

育てる苗が多い程受粉しやすくなるので、確実に授粉させるには最低でも苗を3本以上1週間くらいずつずらして植え付けて育ててください。

9.とうもろこしの害虫対策

とうもろこしは、茎の芯を食べて穴を開けていく害虫であるアワノメイガという蛾の幼虫がよく発生します。

葉っぱにふんが落ちていたり、茎のどこかに穴が開いていたら食害中ですので補殺してください。

また、コガネムシみたいな虫に雌花のヒゲが食べられることもあるので気を付けてください。

そのままにしておくと、最悪の場合は実に穴を開けられ全て食べられることもあります。薬剤を散布するのも害虫対策の1つなので、早めの対策をしてください。

おすすめの薬剤についてはこちらを参考にしてください。

↓アワノメイガの幼虫が茎に穴を開けました。
アワノメイガに穴を開けられたとうもろこしの茎

↓コガネムシみたいな虫に雌花のヒゲが食べられている。
コガネムシみたいな虫に雌花のヒゲが食べられている

10.収穫します

とうもろこしのひげが枯れる(庭)

実もの野菜は収穫する時の熟度がとても大切で、実のひげが茶色に変わり枯れたら収穫に適したタイミングを迎えます。

とうもろこしは成熟していない未熟な実(乾燥しておらず膨らんでいる粒が付いた実)を収穫して食べる実もの野菜で、ひげが伸びて花粉をこすりつけてから約20日経過して、授粉が成功していると大きくなった粒がついています。採りたてをそのまま生で食べてもスーパーで市販されているとうもろこしとは比べ物にならないくらいとても甘くておいしいです。

但し、とうもろこしはすぐに甘味と鮮度が落ちてしまうので、収穫した当日にゆでたり焼いたりして食べ切るのが美味しくいただくコツです。

下の写真では、収穫する時期が少し早すぎたので先端の方の実はまだ小さい状態です。とうもろこしは、ひげが枯れたら収穫するという目安がありますが、実がまだ生長途中の時もあります。試しに1本採ってみて状態を確認しましょう。収穫が遅れると粒の水分が少なくなってしわしわ(一番下の写真)になるので注意してください。

↓先端以外は粒のふくらみがちょうど良いとうもろこし
とうもろこしの収穫(庭)

↓収穫が遅れて完熟に近づき粒がしわしわになったとうもろこし。味はまずいです。
収穫が遅れてしわしわになったとうもろこし

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