庭を耕してジャンボカラーピーマン・パプリカ(赤色)の育て方
広い市民農園を借りなくても自宅の庭先で家庭菜園を楽しむことができます。
庭先を使ったジャンボカラーピーマン(パプリカ)の育て方を覚えて家庭菜園を始めてみませんか。
ジャンボカラーピーマンの苗の植え付けに適した季節は4~6月、収穫は7~10月です。
自宅の庭の耕し方、苗の植え付け、追肥、収穫までのジャンボカラーピーマン栽培で行う作業方法をわかりやすく解説しています。
目次
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1.ジャンボカラーピーマンを育てる為の前準備
- カラーピーマンの体への効用
-
カラーピーマンはピーマンと同じく、βカロテン、ビタミンC、ビタミンEが含まれている緑黄色野菜ですが、ピーマンよりも栄養素は高い特徴があります。
それぞれの栄養素の働きで、抗酸化効果、皮膚や粘膜を正常に保つ、美肌効果、血行促進が期待できます。 - また、食物繊維がしっかりしているのでビタミンCは熱に強く、血液をサラサラにする効果があるピラジンという栄養素が含まれています。
- なお、パプリカとはカラーピーマンに区別されている中の品種のことです。パプリカの実が完熟すると緑色から赤色に変化するのはカロテノイドという色素の影響によるものです。
- ジャンボカラーピーマンの基本栽培情報
- 難易度:普通
- 野菜の分類:ナス科
- 日当たり:日なたが良い
- 栽培に適した時期:3~10月
- タネまき:3~4月(初心者の方はタネから育てるのは少し難しいです。)
- 苗の植付け時期:4~6月
- 収穫時期:7~10月
- 収穫量:5個くらい
- 連作障害:あり。同じ土では3年休む
- 肥料の効かせ方:肥料切れにならないように栽培全期間でこまめに与える
- 人工授粉:いらない
- コンパニオンプランツ:ニラ
- 用意する主な資材
- パプリカの苗:サラダピーマン(レッド)、デカチャンプ(緑)という品種がおすすめです
- 肥料:肥料成分が8-8-8の化成肥料が使いやすいです
- 支柱:50cmくらいの支柱を1本
- 誘引用のひも:枝を支柱に結びつける時に使います
- 園芸用ハサミ:実を収穫する時に使います
まず初めは、苗を庭に植え付ける前準備として、庭を耕して野菜作りに適した土に改良します。
こちらを参考にして作業を進めてください。
自宅の庭先ではなく小さな畑で本格的に野菜を作りたいとお考えの方は、タネ、苗、道具、資材が準備されているシェア畑のご利用がおすすめです。
ジャンボサイズではありませんがパプリカの苗はこちらの楽天市場のショップからでも購入できます。
2.苗を用意します
ジャンボカラーピーマンの苗はタネから育てることもできますし、ホームセンターの園芸コーナーやインターネットの通信販売などでも購入できます。
しかし、タネから育てると発芽温度が20~30℃と高く、温度管理や育苗に手間と時間(約2カ月間)がかかるので園芸店で苗を購入した方が発芽の失敗がないので楽です。
もし、前年にジャンボカラーピーマンなどのナス科の野菜を育てた同じ土で今年も育てる場合は、ジャンボカラーピーマンはナス科の野菜と連作をすると病気にかかりやすくなるので接ぎ木苗を購入しましょう。
なお、ジャンボカラーピーマンには、赤色、黄色、オレンジ色に変化する種類があります。実がお好みの色に変化する苗を間違えないようにしましょう。
タネから苗を育てようと考えている方は、こちらを参考にしてください。
苗を購入する場合は、こちらを参考にして良い苗を選んでください。
3.苗を庭へ植えつけます
ジャンボカラーピーマンの苗は5月上旬頃の暖かくなってきた時にしっかりと耕した庭へ植えつけます。
(植えつけに適した苗は、花のつぼみがつきはじめたものです。)
庭で育てる時は、ジャンボカラーピーマンの苗を植え付ける前までに必ず苦土石灰でpHを中和して、元肥の肥料を土に混ぜ合わせ土壌を整えてください。
苦土石灰は植え付け2週間前に1m2あたり100g(土の表面が薄ら白くなる程度)、堆肥は1m2あたり3kg、肥料は有機質肥料や化成肥料を1m2あたり150gくらいを目安とします。
植えつける時は、畝の高さは10cmくらい作り、株と株との間隔は30cm以上離してください。植え付けが終わりましたら、たっぷりの量の水やりをしましょう。
庭への植えつけ方法は、こちらに詳しく書いてありますので参考にしてください。
水やりは朝や昼が適していますが、特に時間帯を気にしなくても大丈夫です。土の表面が乾いている事に気が付いたら、その都度水を与えてください。
日当たりの関係がありますが、
春は朝~昼に、
夏は朝~夕方に、水やりをしなければ野菜がしおれてしまうと思います。
特に夏場は土が乾燥しやすくなります。ジャンボカラーピーマンは土が乾燥したり日当たりが悪くなると落花しやすくなくので気をつけましょう。
また、地面にマルチフィルムを敷いていない場合は、わらや腐葉土などを地面に敷いて、雨が降った時の土のはね返りによる病原菌の感染予防や日差しによる土の乾燥を防ぐ対策を行うと、根の張りが良くなり丈夫な株に生長します。
4.支柱を立てて誘引します
ジャンボカラーピーマンの草丈は高くないので支柱を立てる必要はないように思われますが、台風などの強風が吹くと根元からバッタリ倒れることがありますし、果実の重さで枝が折れることもしばしばあるので支柱を立ててひもで誘引しておいた方が安心できます。
支柱の仕立て方は、支柱を土に突きさして普通に1本又は数本立ててください。生長した苗の草丈は50cmくらいなので支柱の長さは50cmくらいあれば大丈夫です。
※支柱は100円ショップでも購入できます。
茎を支柱に誘引する時は、柔らかいビニールひもなどを使って8の字の形にして茎に食い込まないように少し余裕を持たせて支柱と茎とを結びつけてください。
(誘引とは強風が吹いた時などに苗が倒れないようにする作業のことです。また、誘引をすることにより日当たりや風通しを改善できる効果もあります。)
5.整枝(わき芽かき)をします
わき芽とは、苗が生長していくと茎と葉のつけ根から伸びてくる芽のことで、わき芽が伸びると葉が茂り花が咲き実ができます。
ジャンボカラーピーマンは1番最初に咲く花(1番花)のすぐ下のわき芽を2本伸ばして、主枝とわき芽2本の全部で3本のみ伸ばします。それ以外のわき芽はすべて取り除きましょう。
わき芽を増やすと収穫量が増えますが、わき芽の本数を増やし過ぎると、わき芽の生長に栄養を使われるようになり実が大きくならなくなるのでわき芽は2本のみ伸ばしてください。
↓わき芽かき前↓
↓わき芽かき後↓
6.追肥をします
苗を植えつけた後、一番初めに咲く花(第1花)に花が咲いて結実して実が大きくなり始めた頃から定期的(2週間に1回)に肥料を与えます。
ジャンボカラーピーマンに与える肥料の量は1m2あたり30gで、肥料の種類は効き目が早い化成肥料を使ってください。
特に第1花の実が収穫できる大きさになった時から少し多めに肥料を与えましょう。肥料切れになると花が咲いてもつぼみが枯れ落ちるので様子を見ながら与えてください。
追肥をする方法は、マルチフィルムをめくるか野菜が植えつけてあるマルチフィルムの穴からスプーンなどを使って肥料をうねの脇にまいてください。
追肥をする方法は、こちらを参考にしてください。
肥料が効きすぎているかの判断は、こちらを参考にしてください。
おすすめの化成肥料
栄養素がN-P-K=8-8-8でバランスよく配合されているので使いやすい化成肥料。値段が安いので広い栽培面積での野菜作りに最適です。
大宮グリーンサービス 化成肥料(国産) 8-8-8 5kg
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7.花が咲きます
苗を定植してから1カ月くらい経過すると花が咲き始めます。
ジャンボカラーピーマンは1つの花に雌しべ(めしべ)と雄しべ(おしべ)を持った両性花なので、人工授粉をしなくても自家受粉して実は着くので何もする必要はありません。
開花後2~4週間経過すると実が一定の大きさになり実の生長が止まりますが、実の生長が止まった時はまだ色の変化はしていません。色が変化するまではまだ日数がかかります。
※定植後の苗の生長状態によっては実の重みで枝が折れるので支柱を追加して支えるようにしましょう。
花が咲いた時に気をつけること
花が咲いても落花してしまう時は肥料と水が少ないことが考えられます。
また、実が小さいうちに柄が黄色くなって枯れ落ちる時は肥料が少ないです。その様な状況になったら、肥料と水の量を多めに与えて様子をみてください。
※ジャンボカラーピーマンは日当たりがよく高温の場所を好みます。
8.ジャンボカラーピーマンの害虫対策
ジャンボカラーピーマンの実がだいぶ大きくなってくると、ある日ふと気付くと実に穴が開いているものがでてきます。
実に穴が開いているのは、虫が穴を開けて実の中の果実を食べて住みかにしているからです。
虫の数が少しならピンセットでつまんで取れば大丈夫ですが、たくさんのジャンボカラーピーマンに穴が開いていたら虫はたくさんいますので、薬剤を撒くなどして対策をしてください。
おすすめの薬剤についてはこちらを参考にしてください。
↓なぜかジャンボカラーピーマンの実に穴が開いています。↓
実の中を確認すると、アオムシ類のタバコガという蛾の幼虫が実を食べて隠れていました。
実に穴が開いている物を発見したら、虫が中にいるので早めに処分してください。大型のカラーピーマンは実の個数が少ないので違う実までも被害を受けると収穫できなくなります。
9.収穫します
ジャンボカラーピーマンはピーマンと同じく辛味種のトウガラシから辛さを取り除いた野菜のことです。
実もの野菜は収穫する時の熟度がとても大切です。ピーマンは未熟な緑色のうちに収穫しますが、ジャンボカラーピーマンは緑色から色が変化して完熟してから収穫する実もの野菜です。
完熟とは緑色から色が変化し終わった実のことで、赤色のジャンボカラーピーマンは実の色が赤色に変わったら収穫適期となります。
小型から中型の実は4週間くらいで熟しますが、大型(ジャンボ)の実は開花してから実の色が変化するまで、だいたい2カ月くらいかかり、収穫できる数も少ないです。
実の色は中々変化しませんので気長に待ってください。カラーピーマンは色が変化するまでの間に実が尻腐れ病という生理障害にかかりやすいです。原因はカルシウム不足なのでその様な状況になったら土に石灰を施しましょう。
赤色のカラーピーマンは少し甘いのが特徴なので、ピーマンが嫌いなお子さんでも平気で食べられます。少し苦みがあるカラーピーマンが食べたい方は熟すと黄色に変化する品種を育てましょう。
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