庭を耕して大根の育て方

庭先の家庭菜園(大根の収穫)

広い市民農園を借りなくても自宅の庭先で家庭菜園を楽しむことができます。

庭先を使った大根の育て方を覚えて家庭菜園を始めてみませんか。

大根のタネまきに適した季節は8~9月、収穫は10~翌年1月です。

自宅の庭の耕し方、タネまき、追肥、収穫までの大根栽培で行う作業方法をわかりやすく解説しています。

目次

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1.大根を育てる為の前準備

大根の種まきと収穫時期

大根の体への効用
ビタミンC:12mg(可食部100gあたり)
大根にはアミラーゼなどの酵素が含まれており、胃もたれや胸やけを改善する効果があり、辛味成分のイソチオシアネートは食欲を促す効果があります。
また、ビタミンCも豊富なので美肌効果が期待できます。特に皮の周辺にビタミンCは多く含まれているので大根おろしをする時は皮も使ってみてください。
大根おろしと天ぷらを一緒に、おでんなどの煮物に使うと美味しく召し上がれます。
大根の基本栽培情報
難易度:簡単
野菜の分類:アブラナ科
日当たり:日なたが良い
栽培に適した時期:8~翌年1月
タネまき:8~9月(初心者の方でもタネから簡単に育てられます。)
連作障害:あり。同じ土では1年休む
肥料の効かせ方:元肥は少なく追肥は多く与える
人工授粉:いらない
収穫時期:10~翌年1月
用意する主な資材
ダイコンのタネ:青首ダイコンの耐病総太り、三太郎という品種がおすすめです
肥料:肥料成分が8-8-8の化成肥料が使いやすいです

まず初めは、タネを庭にまく前準備として、庭を耕して野菜作りに適した土に改良します。
こちらを参考にしてください。

自宅の庭先ではなく小さな畑で本格的に野菜を作りたいとお考えの方は、タネ、苗、道具、資材が準備されているシェア畑のご利用がおすすめです。

大根のタネはこちらの楽天市場のショップからでも購入できます。

 

2.庭へタネをまきます

大根は、1年の中で3月又は9月から育て始めことができる野菜です。どちらかといえば害虫が少なくなった秋の方が育てやすいので、庭を深く耕して涼しくなった9月から日当たりのよいところで育てれば、誰でも手軽に栽培することができます。

大根を育てる時のポイントは、

  • 元肥の肥料はタネの下に多く入れないこと
  • 地中に小石や土のかたまりがないようによく耕すこと
  • 肥料切れを起こさないこと
  • 気温が低すぎると大根が太らなくなるので9月までに発芽させる

ことです。

土壌中に肥料が多かったり、硬いものが地中にあると大根は避けて生長するので二股・三股にわかれます。また、葉が枯れ出したら、肥料が少ない状態ですので気をつけましょう。

初めに行う作業は、大根は直根の根もの野菜なのでビニールポットで育苗する移植栽培をすると根を傷めるので庭へ直にタネを点まきします。点まきする時は、株と株との間隔は20~30cm空けて、同じ穴にタネを2~3個まいてください。

タネまき後に発芽しない、生長しないという問題が起こるので、タネまきする時はタネ袋に書いてあるタネのまきどきを必ず守ってください。なお、大根の品種は白首大根(練馬ダイコン、三浦ダイコンなど)と青首大根があり、初めての方は青首大根の方が育てやすいです。

なお、庭にタネを直まきされない方は、ビニールポットにタネをまいて発芽させた後に早めに深く耕した庭へ植え付けてください。
※根が伸び過ぎると上手に育てられなくなるので、発芽後1週間で庭に定植した方がいいです。

植えつける時は、10cmの高さの畝を作り、株と株との間隔は20~30cm離してください。

注意:庭で育てる時は、大根のタネまきや苗を植え付ける前までに必ず苦土石灰でpHを中和して、元肥の肥料を土に混ぜ合わせ土壌を整えてください。

苦土石灰は植え付け2週間前に1m2あたり100g(土の表面が薄ら白くなる程度)、堆肥は1m2あたり2kg、肥料は有機質肥料化成肥料を1m2あたり100gくらいを目安とします。

そして、タネまきや苗の植え付け直後は、根がしっかり張るまで水をたっぷり与えるようにしましょう。

庭へタネを点まきする方法、ポットやプラグトレーで発芽させる方法は、こちらを参考にしてください。

大根は秋から冬の寒い時期に育てますので、水やりは朝や昼の時間帯が適しています。日当たりの関係がありますが、水やりは1日1回と決めずに、土の表面が乾いている事に気が付いたらその都度水を与えてください。

↓プラグトレー、ポットでタネを発芽させた状態。(タネまき後1週間くらいで発芽します)↓
大根のタネをプラグトレー、ポットでタネを発芽させた状態

↓庭にタネをまいて発芽した状態。(生育が悪いものから間引いていってください)↓
大根のタネを庭に撒いて発芽

3.追肥します

タネが発芽した後は、定期的(2~3週間に1回)に肥料を与えます。

大根に与える肥料の量は1m2あたり30gでうねの脇に与え、肥料の種類は効き目が早い化成肥料を使ってください。

葉の色が薄い黄緑色になったり枯れ出したりしたら、肥料が少ない状態なので様子をみながらその都度肥料を適度に与えてください。葉が深緑色で勢いよく長く伸びていたら肥料の与えすぎです。根の肥大が悪くなるので肥料は与えないでください。

なお、稀に大根の表面がざらついていたり大根の内部が褐色に変色していることがありますがホウ素が不足したことが原因です。病気ではなくただの生理障害なのでホウ素を施せば解決できます。

追肥をする方法は、こちらを参考にしてください。

おすすめの化成肥料

栄養素がN-P-K=8-8-8でバランスよく配合されているので使いやすい化成肥料。値段が安いので広い栽培面積での野菜作りに最適です。

大宮グリーンサービス 化成肥料(国産) 8-8-8 5kg

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4.生長していきます

適度に肥料と水を与えていくと、大根はどんどん大きく育っていきます。

根もの野菜は、土の中の根が大きくなっていき生長しているのか見えないので不安になりますが、日数が経っていくと青首大根の場合は根が地上に出てきますので、生長を確認できるようになります。

注意:青首大根のように地上に大根の上部を露出していい品種以外は追肥をした時に同時に土寄せをして上部を土で覆いましょう。

↓タネまきから1カ月くらい経過した状態。根はまだ大きくなっていません。↓
タネまきから1カ月くらい経過した大根

↓タネまきから2カ月くらい経過すると、大根の根が地上にでてきます↓
タネまきから2カ月くらい経過した大根

5.大根の害虫対策

大根は、葉っぱを食べるモンシロチョウとカブラハバチの幼虫、葉のつけ根の茎の芯を食べて穴を開けるハイマダラノメイガという蛾の幼虫、大根の汁を吸うアブラムシの害虫がよく発生します。葉っぱにふんが落ちていたり、新しい葉がなくなっていたら食害中ですので補殺してください。

特にハイマダラノメイガの幼虫を捕殺せずにそのままにしておくと、若葉が生えてこなくなり大根の生長が止まり収穫できなくなるので気をつけてください。

薬剤を散布するのも害虫対策の1つなので、早めの対策をしてください。

おすすめの薬剤についてはこちらを参考にしてください。

↓大根に産みつけられたモンシロチョウの卵
大根に産みつけられたモンシロチョウの卵

↓大根の葉を食害するカブラハバチの幼虫
大根の葉っぱを食べているカブラハバチの幼虫

↓大根の新芽を食害するハイマダラノメイガの幼虫
大根の葉っぱの根元の茎を食べているハイマダラノメイガの幼虫

↓大根の汁を吸うアブラムシ
大根の汁を吸うアブラムシ

6.収穫します

大根は、タネまきから収穫までの期間は3~4カ月くらい掛かり、葉っぱが垂れ下がってきたら、そして、大根の直径が8cm以上になったら引き抜いて収穫します。

大根は、寒い季節に育てますので害虫の被害はあまり発生しませんし、とても育てやすい野菜であると思うので是非栽培してみてください。

収穫する時に大根の葉っぱを捨ててしまう方が多いですが、ホウレンソウと同じくらいのβカロテンが含まれているので、大根の葉は立派な緑黄色野菜です。また、カルシウムやカリウムなどのミネラルや食物繊維も豊富に含まれています。是非料理に使ってください。

↓葉っぱが垂れ下がってきたので収穫時期です。↓
大根の葉っぱが垂れ下がってきたら収穫時期

甘い大根を収穫するには

大根は秋から冬まで栽培する野菜なので気温の低下に見舞われると、自ら糖分を増加させて葉や根が寒さで凍りつかないようにして生き抜く性質を持っています。
※普通の水よりも砂糖水(糖分を含んだ水)の方が凍りつく温度が低くなります。

糖分が増加するとどうなるのかというと甘味が増すので、霜が降りてから収穫すると一段と美味しい大根を食べることができます。

↓霜が降りてから収穫すると甘くておいしい大根が食べれます。冬はおでんに使うとおいしいです。↓
霜にあててから収穫すると甘みが増す大根

7.大根栽培で気を付けること

大根栽培は、岐根、ス入りに注意して育ててください。

  • 岐根:大根の根が二股・三股に枝分かれすること
  • ス入り:肥大した大根の内部に空洞ができること

根もの野菜は根が伸びる先に未熟な堆肥や肥料を多く与えすぎると根が二股に分かれてしまう岐根が発生します。

下の写真を見てもらうとわかりますが、肥料が多かったり硬いかたまりが地中にあると途中から根が斜めに伸びるようになります。根もの野菜は肥料の施し方に注意して、土をよく耕し根が伸びる先に肥料がかたまっていない状態にしましょう。

また、大根はスが入ってしまうと食べても美味しくありません。大根にスが入っているかいないかを確認する方法は、大根の外葉をつけ根から切り取って、断面に空洞があるかないかで判断できますので収穫時期が近付いたら確認してください。

もしも、断面が空洞になっていれば大根にスが入っている状態になります。大根にスが入る主な要因は収穫が遅くなってしまったことが挙げられます。大根を肥大させようと長い間栽培せずに、収穫適期になったらスが入る前に早めに抜きとってください。

写真:上の大根は二股に分かれています。下の大根は正常です。
二股に分かれた大根と分かれていない大根の比較

写真:根こぶ病でしょうか。原因はわかりませんが三股の大根ができました。
奇形大根

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