野菜の連作障害について考える

毎年同じ土で同じ科の野菜を作り続けるとどうなるの?

ナスは連作障害になりやすい野菜

庭やプランターを使って家庭菜園を始めた年は野菜の苗をなんとか枯らすことなく育てることができたけど、家庭菜園2年目になり少しは野菜作りの知識が身についたので自信を持って野菜作りに取り組んだら、野菜の苗が病気に掛かって枯れてしまい、おまけに害虫が大量に発生しているなどの経験はありませんか?

去年はそんなことは起きなかったのにどうしてでしょうか?

それは、連作障害(れんさくしょうがい)が原因のことが多いです。

みなさんは、家庭菜園の専門用語の連作障害という言葉を聞いたことはありますか?

去年野菜を栽培した土で、去年と同じ科の野菜を毎年作り続けると、特定の養分が減少し、特定の病気や害虫が増えたりして生育が悪くなってきます。この現象を連作障害といい、同じ科の野菜は共通の病気に掛かりやすくなる傾向があります。

連作障害は、土の中の病原菌の繁殖で菌のバランスが崩れたり、植物自身が出す分泌物が蓄積することが原因だといわれています。

連作障害を防ぐには、土の中の微生物を活発に働かせて、土を健康な状態へと整えることが必要となるので、化成肥料だけで育てるのではなく、なるべく有機質の肥料を与えて育てることをおすすめします。

すべての野菜が連作障害になるのかというとそうではなく、主に次の野菜を育てる時には注意が必要です。

連作障害が起きやすい野菜

  • ナス科
    (ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモなど)
  • ウリ科
    (キュウリ、スイカ、メロンなど)
  • マメ科
    (エダマメ、エンドウなど)
  • アブラナ科
    (キャベツ、白菜など)

上記の科の野菜に、連作障害が起こりやすい傾向があり、連作障害が起きると、土壌のセンチュウによって根が傷つけられたり、病原菌が根に感染して根こぶ病になったりして、根からの栄養分の吸収力が衰えるようになります。

そして、野菜が病原菌や害虫に侵されてしまうと、その結果、収穫量の減少に見舞われたり最悪の場合では全く収穫できずに枯れてしまうこともあります。

特にナスとスイカは連作障害になりやすい野菜といわれていますので有機質の肥料を用意して注意しながら育ててください。

連作障害が発生する年数はある程度わかっていて、具体的な年数でいうと、ナスは5年間、キュウリは3年間、スイカは5~8年間、エダマメは3年間、キャベツは2年間は連作障害が起こりやすいので、それらの野菜を1回育てた土ではその期間内は同じ野菜又は同じ科の野菜は育てないことを守りましょう。

スポンサーリンク

 

連作障害の対策方法

連作障害は比較的簡単に防ぐことができます。

まずは、野菜を毎年育てている方は、どの場所にどんな野菜を植え付けたのかをしっかり覚えるようにしてください。
連作障害になりにくくするためには、去年同じ科の野菜を育てた場所、同じ科の野菜を育てた土には今年も同じ科の野菜を植え付けて育てないことです。

下記に連作障害を事前に防ぐ方法を紹介しますので、野菜作りの参考にしてください。

  1. 毎年同じ場所では違う科の野菜を育てる
  2. 土に直射日光を当てて熱で消毒する
  3. 土壌改良材(腐葉土や堆肥などの植物性の有機物)で土の中の菌と養分を調整する
  4. 有機石灰(カニ殻やホタテ貝などを粉末にした貝殻石灰)を多めに撒く
  5. 病気に強い品種を育てる
  6. 接ぎ木された苗を使う(接ぎ木苗とは穂木と台木で構成された病気に強い苗のことです。輪作できない時は接ぎ木苗を使った方が失敗が少ないので圧倒的に有利です)
  7. コンパニオンプランツを一緒に植え付ける

このような対策方法を行うと、効果的に連作障害を防ぐことができます。

コンパニオンプランツについてはこちらを見てください。

特に、野菜の苗が病気になる主な原因は、土壌中の微生物の働きが衰えて病原菌が繁殖したことによるものです。土壌に堆肥や腐葉土などの有機物を混ぜ込んで微生物の働きを活発にしてあげて野菜作りに適した土を作ってください。そして、肥料とミネラルを補えば野菜はすくすく育っていきます。

連作障害が出やすい年数とは

一般的には、野菜を育てる時は、同じ場所に苗を植え付けると健全に育てられないというサイクルがある程度決まっています。

このサイクルを無視して好きなように野菜を育てると、過剰に繁殖した土壌中の悪玉菌によって根っこが病気にかかりやすくなり生育初期に失敗する恐れがあるので気をつけましょう。

下に、主要の野菜で連作障害が出やすい年数を載せますので野菜作りの参考にしてください。連作障害が出やすい年数内は、違う野菜を育てるか、接ぎ木苗を使って同じ野菜を育てるか、新しい土を使って同じ野菜を育てるようにしましょう。

野菜の連作障害が出やすい年数

連作障害が少ない野菜
  • ニラ
  • ネギ
  • タマネギ
  • トウモロコシ
  • カボチャ
  • ニンジン
  • ダイコン
  • こまつな
  • サツマイモなど
1~2年くらい空けて育てた方がいい野菜
  • イチゴ
  • インゲン
  • 落花生
  • ブロッコリー
  • キャベツ
  • 白菜
  • レタス
  • ホウレンソウ
  • シュンギク
  • セロリ
  • カブ
  • ジャガイモなど
3年以上空けて育てた方がいい野菜
  • ナス
  • キュウリ
  • トマト
  • メロン
  • スイカ
  • ピーマン
  • シシトウ
  • エダマメ
  • エンドウ
  • ミツバ
  • ゴボウ
  • サトイモなど

また、連作障害を和らげる為に一般的にいわれていることは、次のように輪作(りんさく)をすることが効果的です。

  • ナス科(トマトやナスなど)の野菜を育てた後には、葉もの野菜や根もの野菜を育てるようにすること。
  • ウリ科(キュウリやカボチャなど)の野菜を育てた後には、葉もの野菜や根もの野菜を育てるようにすること。
  • 葉もの野菜や根もの野菜を育てた後には、ナス科やウリ科の野菜を育てるようにすること。

上記で説明したように同じ野菜ばかり育てるのではなく、いろいろな野菜をバランスよく組み合わせて輪作を行い、連作障害が起こりにくくなるような作付け計画を考えて育てるようにしてください。

トップページへお役立ち情報

スポンサーリンク