プランターを使って小玉スイカの育て方

プランターの家庭菜園(小玉スイカの収穫)

市民農園を借りなくてもプランターを使えば家庭菜園を楽しむことができます。

プランターを使った小玉スイカの育て方を覚えて家庭菜園を始めてみませんか。

小玉スイカの苗の植え付けに適した季節は4~6月です。

菜園道具の揃え方、苗の購入・植え付け、追肥、人工授粉、収穫までの小玉スイカ栽培で行う作業方法をわかりやすく解説しています。

目次

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1.小玉スイカを育てる為の前準備

小玉スイカの苗の植え付けと収穫時期

スイカの体への効用
βカロテン当量:830μg(可食部100gあたり)
夏に食べる果実といえばスイカを思い浮かべますよね。スイカは、抗酸化作用があるβカロテン、体内の余分な塩分を排出するカリウムを筆頭に、ビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれている野菜です。スイカは体に吸収しやすいブドウ糖を含んでいるので、特に夏バテで弱っている時に食べるとスポーツドリンクと同じように、水分・ビタミン・ミネラルの補給ができ体調を整えることができます。
また、赤色の果肉にはリコピンという色素が豊富で活性酸素を減らす働きがあるので老化防止に役立つといわれています。
小玉スイカの基本栽培情報
難易度:難しい
野菜の分類:ウリ科
日当たり:日なたが良い
プランターの深さ:土が20cm以上入る深型が適しています
栽培に適した時期:4~9月
タネまき:4~5月(初心者の方はタネから育てるのは少し難しいです。)
苗の植付け時期:4~6月
収穫時期:8~9月
収穫量:1~3個
連作障害:あり。同じ土では5~8年休む
人工授粉:必要。雄花の花粉を雌花へ筆などでこすりつけてください。
コンパニオンプランツ:ネギ
用意する主な資材
小玉スイカの苗:赤こだま、紅こだま、紅しずくという品種がおすすめです
プランター:深底タイプのプランターを用意してください
培養土:元肥入りで団粒構造になっているもの
肥料:肥料の表面がコーティングされている被覆肥料や速効性の液体肥料が使いやすいです
支柱:150cmくらいの支柱を数本
誘引用のひも:枝を支柱に結びつける時に使います
園芸用ハサミ:実を収穫する時に使います

まず初めは、タネをまいたり苗を植え付ける前の準備として、野菜作りに適したプランターと土を用意します。
こちらを参考にしてください。

<おすすめの培養土>

商品名:アイリスオーヤマ ゴールデン粒状培養土 25L GRBA-25
説明:保水性・通気性・排水性に優れており野菜栽培に適した粒状の培養土です。一般的な培養土よりも野菜の根は張りやすいので生育が良いのが特徴。初心者さんでも扱いやすい加熱殺菌処理済みで清潔な土です。

<おすすめの大型プランター>

商品名:アイリスオーヤマ ベジタブルプランター 480
説明:アイリスオーヤマのベジタブルプランター480は、スノコ付きの大型プランターです。小玉スイカは土が多く入る深底プランターを使って育てないと果実が大きく生長しません。この大きさのプランターで土は約20L入り小玉スイカの苗はとても密集しますが1~2株育てられます。

 

2.苗を用意します

小玉スイカの苗は自分でビニールポットなどにタネをまいて育てるか、ホームセンターの園芸コーナーやインターネットの通信販売を利用して苗を購入しましょう。

しかし、タネから育てるのは発芽温度が25~30℃と高く温度管理や育苗に手間と時間(約1カ月間)がかかり難しいので、園芸店で健全な苗を購入した方が生育の失敗が減るので簡単です。

新品の培養土を使用せずに前年スイカなどのウリ科の野菜を育てた同じ土で今年も育てる場合は、スイカはウリ科の野菜と連作をすると病気にかかりやすくなるので接ぎ木苗を購入しましょう。

小玉スイカの苗はこちらの楽天市場のショップからでも購入できます。

タネから苗を育てようと考えている方は、こちらを参考にしてください。

苗を購入する場合は、こちらを参考にして良い苗を選んでください。

小玉スイカの苗

3.苗をプランターへ植えつけます

スイカは寒さに弱いので、十分暖かくなった5月上旬頃に苗をプランターへ植えつけます。
(植えつけに適した苗は、本葉が3~4枚くらいになったものです。)

スイカは、日当たりがよく高温で乾燥した場所を好み、湿度が高い場所を嫌います。雨が多く湿度が高いと病気にかかり枯れてしまうことがあるので、梅雨の季節の長雨の時は風通しをよくして育てるように心がけましょう。

野菜を1回育てた土をもう1度利用する時はそのまま使うのではなく、苗を植え付ける前に苦土石灰でpHを中和して、元肥にする肥料を土に混ぜ合わせてください。

苦土石灰は土の表面が薄ら白くなる程度、肥料は有機質肥料化成肥料をスプーン1~2杯くらいを目安とします。

苗の植え付け間隔は20cm以上離して、植え付け直後は水をたっぷり与えましょう。

プランターへの植えつけ方法は、こちらに詳しく書いてありますので参考にしてください。

水やりは朝や昼が適していますが、特に時間帯を気にしなくても大丈夫です。
土の表面が乾いている事に気が付いたら、その都度水を与えてください。

日当たりの関係がありますが、
春は朝、昼に、
夏は朝、昼、夕方に、水やりをしなければ野菜がしおれてしまうと思います。

小玉スイカの苗をプランターへ植えつけ

4.支柱を立てます

スイカは、一般的には地面の上でつるをはわせて育てますが、空中でも育てられます。

地面の上で育てる時はつると実が土に着かないようにわらを敷き、空中で育てる時は支柱を立ててつるを誘引してください。

地面の上で育てると広いスペースが必要になるので、ベランダなどの狭いスペースしか確保できない時は空中で栽培しましょう。

空中で育てる時は、支柱は普通に縦に数本立てても、あんどん型で立てても構いません。空中につるを伸ばすことができるように考えて立てましょう。

↓小玉スイカの空中栽培↓
小玉スイカのつるを誘引する支柱をあんどん型で立てる

5.追肥します

苗を植えつけた後1週間後から定期的(1~2週間に1回)に肥料を与えます。

スイカは、肥料の量は普通で構いません。追肥は、肥料の効果に速効性がある液体肥料を水やりの代わりとして与えるか、又は緩効性の化成肥料をスプーン1杯くらいを目安とします。また、実をより甘くしたい時は有機質肥料を少し与えると効果的です。

但し、スイカの栽培は難しいので、上手に生育するには、

  • 葉の色が黄緑色になってきたら肥料切れなのでその都度肥料を補充すること
  • 授粉が成功した後は実の生長を促す為に肥料を少し多目に与えること

が上手に育てるポイントとなります。

追肥をする方法は、こちらを参考にしてください。

肥料が効きすぎているかの判断は、こちらを参考にしてください。

<おすすめの液体肥料>

商品名:ハイポネックス原液 800ml
説明:価格が安く野菜以外にもいろいろな植物に使うことができるコストパフォーマンスに優れた万能タイプの液体肥料です。野菜に使う時は原液を水で500倍に薄めて1週間に1回水やりの代わりとして使います。

<おすすめの化成肥料>

商品名:住友化学園芸 マイガーデン ベジフル 700g
説明:肥料の3要素(窒素・リン酸・カリ)以外に有機質とマグネシウムも少し入っていて野菜に優しい緩効性で粒状の化成肥料です。肥料はプランターへばら撒くだけの簡単作業と温度変化で溶ける量が変わり無駄がなく家庭菜園の初心者さんでも扱いやすいです。

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6.整枝(摘芯)をします

スイカのつるの伸ばし方はいろいろあります。

例えば、一般的な方法としては、

  • 親づる1本と子づるを2~3本伸ばす方法
  • 親づるは伸ばさずに子づるを3~4本伸ばす方法

などがありますが、どちらの方法を使っても構いません。小玉スイカの苗を購入した時にラベルが土に突き刺してあると思いますが、その裏面に育て方が書いてあるので、その指示に従ってください。

私が購入した苗の育て方の説明は子づるを数本伸ばすと書いてあったので、子づるのみを伸ばす方法を説明します。

子づるのみを伸ばす方法
親づるの葉が5~6枚くらいになったら、葉のつけ根の節から伸びている生育がよい子づるを3~4本のみ伸ばして支柱へ誘引させましょう。
(誘引とは強風などでつるが倒れないようにする作業です。)

まずは、親づるの先端を摘芯(切り取り)します。次は、親づるの節から伸びている元気な子づるを伸ばすのですが、どれが元気な子づるなのか判断がつかない時は、子づるを見比べて伸びが弱そうなものから摘芯(切り取り)すると作業しやすいです。

↓子づるを3本伸ばしている様子。
小玉スイカのつるを3本程のばす

↓つるの先端を摘芯する前の状態↓
小玉スイカのつるの摘芯前

↓つるの先端を摘芯した後の状態↓
小玉スイカのつるの摘芯後

7.受粉させます

受粉とは、雄しべの花粉が雌しべの柱頭に付着した状態のことです。スイカは人工受粉が必要な野菜なので必ず行ってください。

スイカはつるが伸びてくると次々と花が咲き始めますが、雄しべを持った雄花(おばな)と雌しべを持った雌花(めばな)の単性花なので別々に分かれて花が咲く性質があります。したがって、ミツバチなどの花粉を運んでくれる虫がいない場合は育てている人が人工授粉させないとスイカの果実は1つもできません。

人工授粉させる時は、天気がいい日(曇りでも雨でもなく気温が低くない日)の午前中に、雄花を茎から摘み取って雄花の中心(雄しべ)を雌花の中心(雌しべ)へ接触させてください。
※小玉スイカが受精するには、受粉作業後にある程度高い気温が必要になるので午前中に済ませておくのがいいです。

注意:プランターで小玉スイカを育てる時は、たくさんの個数受粉できたとしても1本のつるには1つの小玉スイカの実をつけるようにして育ててください。また、1つの苗では小玉スイカの実は3個が限界なので、それ以上の個数を育てると、実は中々大きく育たないし糖度は上がらないので気をつけてください。
(受粉作業を行う時は、数個受粉させて受粉後に数日間様子を見て、生長具合がもっとも良い上の方の節についた実を残しましょう。他の実はもったいないですが生長の妨げになるので切り取ってください。)

↓スイカの雄花は花のつけ根に膨らみがありません↓
小玉スイカの雄花

↓スイカの雌花は花のつけ根に小さな膨らみがあります↓
小玉スイカの雌花

小玉スイカの人工授粉の方法

人工授粉させる方法は主に2つあります。

  1. 雄花を切り取って雄花の中心を雌花の中心に押し当てて花粉をこすりつける方法。この方法は雄花を切らないといけないのでためらいがちになります。
  2. 絵具や習字などの筆を使って花粉を運ぶ方法。筆で雄しべをこすって花粉を筆につけた後に雌しべに押し当てます。

どちらの方法が簡単かというと筆を使う方法です。人工授粉は、どんな方法を使っても構いませんので、雌しべに花粉が付着すれば大丈夫です。

人工授粉が終わりましたら10~20節の間で着果できた形がよい果実を残すようにすると大きいスイカが育ちます。

↓雄花を切って受粉させる方法↓
小玉スイカの人工授粉

受粉後に受精が成功したか失敗したか判断する方法

人工授粉をしたら受精が成功しているのか気になりますよね。

受精が成功したか失敗したか判断するには数日かかります。受精が成功している場合は雌花のつけ根の小さい実が大きくなっていき、受精に失敗している場合は実は大きくならずに黄色くなって枯れてしまいます。

受精を確実に成功させるためには、

  • 風がない晴天の日の午前中にする
  • 開花して間もない新鮮な花粉がたくさんついている雄花を使う
  • 親づる子づるの地面の方から数えて5~15節目に咲く雌花に花粉をこすりつける

ということを行うと、失敗が少なくなります。

※受精に成功して空中栽培する時は、果実が大きく生長してきたらネットなどで実を包んで落ちないように吊ってください。

↓受精が成功した場合は雌花のつけ根の実は大きくなっていきます。↓
小玉スイカの受精成功

↓受精が成功した場合は、受精した実がついているつるの先を切って栄養分を実の方へ送るようにしてください。
小玉スイカの受精後につるを切る

↓受精が失敗した場合は雌花のつけ根の実は黄色くなって枯れてしまいます。↓
小玉スイカの受精失敗

8.収穫します

受粉してから1~2カ月位経過すると、実が大きくなっていますので収穫してください。

実もの野菜は収穫する時の熟度がとても大切です。スイカを収穫する時の判断材料は、ヘタの部分の巻きひげが枯れた時です。巻きひげが枯れたら試しに1つ収穫してみましょう。

スイカは最適な時(完熟の時)に食べると非常に甘く、収穫時期に水やりを少なくすると甘さが増しますが、過熟して熟しすぎると美味しくなくなるので収穫する時期を気を付けてください。遅くても受粉後45日経過すると味が落ちるので、実が小さくても収穫した方がいいと思います。

スイカは90%が水分なので暑い夏には夏バテ防止としての水分補給におすすめの野菜です。

↓巻きひげが枯れ出して収穫適期となった小玉スイカ。鳥によく突っつかれていたずらされるので収穫遅れにならないように気をつけましょう。↓
小玉スイカの収穫

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