プランターを使ってイチゴ(レッドパール)の育て方

プランターの家庭菜園(イチゴの収穫)

市民農園を借りなくてもプランターを使えば家庭菜園を楽しむことができます。

プランターを使ったイチゴの育て方を覚えて家庭菜園を始めてみませんか。

イチゴの苗の植え付けに適した季節は9~11月です。

菜園道具の揃え方、苗の購入・植え付け、追肥、収穫までのイチゴ栽培で行う作業方法をわかりやすく解説しています。

目次

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1.イチゴを育てる為の前準備

イチゴの苗の植え付けと収穫時期

イチゴの体への効用
ビタミンC:62mg(可食部100gあたり)
イチゴは、ビタミンCとカリウムが多く含まれています。
ビタミンCは免疫力を高める効果やシミの原因とされているメラニン色素の生成を抑える効果、カリウムは高血圧を予防する効果があります。
また、ヨーグルトと一緒に食べるとイチゴのビタミンCとヨーグルトのタンパク質で美肌効果があります。
ヘタを取ってから水で洗うとビタミンCが流されるので、ヘタを付けたまま水で洗い食べる直前でヘタを取るようにしましょう。
イチゴの基本栽培情報
難易度:普通
野菜の分類:バラ科
日当たり:日なたと日陰の時間が半分くらいずつが良い
プランターの深さ:最低でも土が15cm入るものを用意してください
栽培に適した時期:一般的には9~翌年6月
タネまき:4~8月(初心者の方はタネから育てるのは難しいです。)
苗の植付け時期:親株は5月、子株は9~11月
収穫時期:翌年4~6月
収穫量:10~20個くらい
連作障害:あり。同じ土では1年休む
人工授粉:いらない。着果が悪い時は筆などで花をこすってください。
コンパニオンプランツ:ネギ
用意する主な資材
イチゴの苗:甘味が強いのは、よつぼし、とちおとめ、味の酸味と甘みのバランスがいいのは、とちひめ、レッドパール、章姫(あきひめ)、おいCベリーという品種がおすすめです
プランター:深底タイプでなくても大丈夫です
培養土:元肥入りで団粒構造になっているもの
肥料:肥料の表面がコーティングされている被覆肥料や速効性の液体肥料が使いやすいです
支柱:不要
園芸用ハサミ:実を収穫する時に使います

まず初めは、タネをまいたり苗を植え付ける前の準備として、野菜作りに適したプランターと土を用意します。
こちらを参考にしてください。

※前回バラ科を育てた土でイチゴを育てると連作障害といって病気に掛かりやすくなります。同じバラ科の野菜を育てる時は新しい土を使うか、1年後に育てるようにしましょう。

<おすすめの培養土>

商品名:アイリスオーヤマ ゴールデン粒状培養土 14L GRBA-14
説明:保水性・通気性・排水性に優れた粒状の培養土です。野菜の根はとても張りやすく、一般的な培養土よりも生育が良いのが特徴。初心者でも扱いやすいです。

<おすすめのプランター>

商品名:アイリスオーヤマ レリーフプランター650
説明:ベランダ栽培でおすすめのスノコ付きのプランター。狭い場所に最適!ベランダに置くスペースが狭い方におすすめのプランターです。小柄なプランターですがしっかり育てられます。この大きさで土は15L程入り、イチゴの苗は3つ育てられます。

 

2.苗を用意します

苗は自分でビニールポットなどにタネをまいて育てるか、ホームセンターの園芸コーナーやインターネットの通信販売を利用して苗を購入しましょう。

しかし、タネから育てるには発芽温度が高く温度管理や育苗に手間と時間がかかり難しいので、お店で健全な苗を購入した方が生育の失敗が減るので簡単です。

イチゴの苗はこちらのショップから購入できます。

タネから苗を育てようと考えている方は、こちらを参考にしてください。

苗を購入する場合は、こちらを参考にして良い苗を選んでください。

イチゴ(レッドパール)苗

3.苗をプランターへ植えつけます

イチゴの苗は、ホームセンターの園芸コーナーなどで、1年で春と秋の2回販売されています。

春に購入された方は、5月にプランターへ苗(親株)を植え付けると初夏に少し実ができるので収穫ができます。しかし、親株から実を収穫することが目的ではなく、秋に植え付ける子株を作って育てることが目的なので間違えないようにしましょう。

親株を植え付けるとたくさんつるが伸びてくると思いますが、このつるのことをランナーと言います。親株から伸びたランナーは、子株、孫株というように株をつけてどんどん伸びていきます。

では、どの子株を育てればいいのかというと、親株側から数えて2番目と3番目の子株です。土を入れたビニールポットで子株を受けて、十分根を張って育てた後に、夏が終わり涼しくなってきた9~11月頃にプランターへ定植します。秋に購入された方は、苗をプランターへそのまま植え付けてください。

苗を植え付ける時は、イチゴの苗にはランナーというものがあり、花はランナーの反対側に咲くので、ランナーの位置を確かめて実を収穫しやすい向きに植えてください。子株を植え付ける時は、親株側のランナーの反対側から花が咲きます。 また、クラウン(王冠みたいな形をした根元のところ)は土の中に埋めないようにします。苗の植え付け直後はたっぷりと水やりをしましょう。

※1回野菜を育てた土をもう1度利用する時はそのまま使うのではなく、苗を植え付ける前に苦土石灰でpHを中和して、元肥とする肥料を土に混ぜ合わせて野菜が育ちやすい状態にしてください。
苦土石灰は土の表面が薄ら白くなる程度、肥料は有機質肥料や化成肥料をスプーン1~2杯くらいを目安とします。

プランターへの植えつけ方法は、こちらに詳しく書いてありますので参考にしてください。

水やりは朝や昼が適していますが、特に時間帯を気にしなくても大丈夫です。
イチゴは暑さに弱いので土の表面が乾いている事に気が付いたら、その都度水を与えてください。

日当たりの関係がありますが、
春は朝、昼に、
夏は朝、昼、夕方に、水やりをしなければ野菜がしおれてしまうと思います。

イチゴは涼しい気候を好み、暑さと乾燥に弱いので、子株を育てている夏は特に水切れにならないように気をつけましょう。
※日差しが強い時は水不足で葉っぱがしおれていることがよくあります。

↓プランターへ定植したイチゴの苗↓
イチゴ(レッドパール)の苗をプランターへ植えつける

↓ランナーとクラウンの位置の説明(つるがランナー、根元がクラウン)↓
イチゴの苗のランナーとクラウンの説明

4.追肥します

イチゴは肥料の量は少なめで構いませんが、肥料切れになると花が咲いてもつぼみが枯れ落ちたり、実が大きくならなかったりしますので様子を見ながら与えてください。
※追肥は、肥料の効果に速効性がある液体肥料を水やりの代わりとして与えるか、又は緩効性の化成肥料をスプーン1杯くらいを目安とします。

春に植え付けた方は、苗を植えつけた後1週間後から定期的(1~2週間ごとに1回)に肥料を与えます。

秋に植え付けた方は、2月に1回と、花が咲いたら1~2週間に1回ごとに肥料を与えます。

イチゴは根が弱く地表近くに張るので肥料を与えすぎると肥料焼けになり根が傷みやすいので注意しましょう。

追肥をする方法は、こちらを参考にしてください。

肥料が効きすぎているかの判断は、こちらを参考にしてください。

<おすすめの液体肥料>

商品名:ハイポネックス 原液 800ml
説明:価格が安く野菜以外にもいろいろな植物に使うことができるコストパフォーマンスに優れた万能タイプの液体肥料です。野菜に使う時は原液を水で500倍に薄めて1週間に1回水やりの代わりとして使います。

<おすすめの化成肥料>

商品名:住友化学園芸 マイガーデン ベジフル 700g
説明:有機質と肥料の3要素以外にマグネシウムも少し入っていて野菜に優しい緩効性で粒状の化成肥料。プランターへばら撒くだけの簡単作業なので初心者でも扱いやすいです。

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5.花が咲きます

イチゴはわき芽かきの作業は必要ありませんので、肥料と水やりをしながら花が咲くのを待ちます。

春に植え付けた方は、苗を定植してから2カ月くらい経過すると花が咲き始めます。

秋に植え付けた方は、翌年の4月くらいから花が咲き始めます。

イチゴは1つの花に雌しべ(めしべ)と雄しべ(おしべ)を持った両性花なので人工授粉は特に必要ありませんが、受粉しているのか心配な時は筆などを使って花をこすってください。受粉できていれば、花が咲いた後に受精して果実は大きくなっていきます。

花の大きさが小さい状態では実は大きく育ちませんので、もし、花の大きさが小さい場合は肥料が少ないことが考えられるので、リン酸やカリが多い肥料を与えて花咲きと実着きをよくしましょう。

また、花が大きく実がついても中々大きくならない時は、ランナーに栄養分が取られている可能性があるので、親株から伸びているランナーを切ってしまいましょう。ついでに、腐りかけているイチゴの実があれば食べれないので取り除いて風通しをよくしてください。
※ランナーとは株元から伸びている子株を増やすつるのことで、実を収穫した後にもものすごい勢いで何本も伸びてきます。

イチゴの実とタネはどこにできるのかというと、花が咲いたところの肥大したものが実で、その表面のツブツブがタネのように思いますが、正確にはイチゴの実は表面のツブツブでツブツブの中にタネがあり、肥大したところは花托といいます。

↓春になると咲くイチゴの花
イチゴ(レッドパール)の花

↓カビが生えて腐ったイチゴの実
カビが生えて腐ったイチゴの実

6.イチゴの防鳥対策

早朝イチゴに水やりをやりに行こうと思ってイチゴを見ると赤く熟したイチゴがなくなってることがあります。

赤色でないイチゴは大丈夫ですが、赤色に変化したイチゴは頻繁に鳥に食べられますので、防鳥対策をしていないとせっかく大きく育ったイチゴはすべて鳥に食べられてしまいます。

必ずネットを使ってイチゴの苗を覆って鳥に食べられないように対策をしましょう。ネットは100円ショップにも売っています。

※イチゴは害虫の被害はあまりありませんので、鳥対策をしてください。

↓ネットが張っていないと熟したイチゴが鳥に突っつかれます↓
鳥に突っつかれたイチゴの実

↓ネットが張っていないと熟したイチゴが鳥にすべて食べられます↓
鳥に食べられたイチゴの実

7.収穫します

実もの野菜は収穫する時の熟度がとても大切です。イチゴは完熟の実を収穫する実もの野菜で、花が咲いた後に実が大きくなり白緑色から赤色に果実が変化したら収穫適期です。
※肥料切れにならないように育てていれば、酸味と甘味のバランスがよくサイズが大きいイチゴが収穫できます。

私の経験では、イチゴの色が赤く変化しても酸っぱい時がありました。そのような時は、次のイチゴの色を頼りにして収穫してみてください。

  • 薄い赤色:酸っぱい味
  • 赤色:酸味と甘みのバランスがよい味
  • 深い赤色:甘い味

タネの色で判断する場合は、白色のタネは未熟、赤色のタネは完熟となります。

イチゴを食べて酸っぱいと感じたら、色がもっと真っ赤になるまで熟してから収穫するようにしましょう。但し、さらに熟そうと思って熟した状態で1日経過させると腐ってカビが生えてしまうので注意してください。
※イチゴは、実の中心よりも表面の方が甘く、そして、ヘタの辺りよりも先端の方が甘い特徴があるので、先端に甘味が集中しています。また、真っ赤になればなるほど甘味が増します。

イチゴは花が咲いてから実の色が変化するまでだいたい1カ月くらいかかります。色は中々変化しませんので気長に待ってください。

↓果実は赤く熟していますがタネはまだ赤くありません。もう少ししたら収穫適期です。↓
イチゴ(レッドパール)の収穫

↓レッドパールの実は果肉の中心付近も赤い↓
果肉の中心付近も赤いイチゴ(レッドパール)の実

↓熟し過ぎて腐ってカビが生えたイチゴの実
熟しすぎて腐ってカビが生えたイチゴの実

8.親株のランナーから子株を育てる

イチゴの収穫後は親株から伸びているランナーにたくさん子株ができていると思います。
このランナーから伸びている子株を秋になって植え付ければ、イチゴの苗を新たに買わなくても来年もイチゴを収穫することができます。この作業を毎年繰り返すことによってずっとイチゴを育て続けることができます。

定植する子株は、親株から2番目か3番目のものを、ポットで育てて秋(9~11月)になったら定植してください。
なお、収穫が終わった親株は弱っていますので抜き取ってください。

↓収穫が終われば親株からは何本もランナーが伸びてきます↓
親株から伸びているイチゴのランナー

↓子株には根が出てきて、ランナーはさらにどんどん伸びていきます↓
根が出てきたイチゴのランナー

↓秋に定植する前にビニールポットで子株を育てましょう。定植後の花の咲く向きは子株の親株側のランナーの反対側に咲きます。
ポットで育てているイチゴの子株

9.育てた子株を定植して親株として育てる

親株から育てた子株を秋になったらプランターへ定植して、冬を越して春が訪れると花が咲いてたくさんのイチゴの実がなります。
※冬の期間は枯れますが、春になれば新芽がたくさん伸びてきます。冬の間は、1カ月に1回肥料を与えていれば大丈夫です。春になったら1週間に1回肥料を与えましょう。

イチゴの苗を購入しなくても、下の写真のように4月になれば子株からたくさんのイチゴが収穫できます。

↓1つの親株から3つの子株を育てて定植して冬を越したイチゴの苗↓
子株を定植して育てたイチゴの苗

↓子株を定植後、立派に育ったイチゴの親株の実↓
子株を定植して実がなったイチゴの苗

↓子株を定植して立派に育った親株から伸びたランナー↓
子株を定植して伸びたランナー

↓子株をポットで育てた後に定植した翌年春のイチゴ↓
子株を定植して翌年の春のイチゴ

このように、親株から伸びるランナーで子株をポットで育ててから、秋になったら子株をプランターへ定植すれば、毎年春においしいイチゴを楽しむことができます。興味がある方はイチゴの苗を園芸店で1株購入してランナーから子株を育てて栽培してみてください。

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