庭を耕して山芋(つくね芋)の育て方

庭先の家庭菜園(丹波系山のいもの収穫)

広い市民農園を借りなくても自宅の庭先で家庭菜園を楽しむことができます。

庭先を使った山芋(つくね芋)の育て方を覚えて家庭菜園を始めてみませんか。

山芋(つくね芋)の種いもの植え付けに適した季節は4~5月です。

自宅の庭の耕し方、種いもの購入・植え付け、追肥、収穫までの山芋(つくね芋)栽培で行う作業方法をわかりやすく解説しています。

目次

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1.山芋(つくね芋)を育てる為の前準備

山芋の種いもの植え付けと収穫時期

山芋の体への効用
カリウム:430mg(可食部100gあたり)
ヤマノイモとは、ながいも、つくねいも、自然薯、いちょういもなどの総称のことです。 ヤマノイモは、ムチンとアミラーゼが多く含まれています。ムチンはタンパク質の消化吸収を促進し、アミラーゼという酵素は消化促進と胃腸の働きをよくする効果があります。 また、カリウムなどのミネラルも多く含んでいるので健康にいい食べ物です。
ヤマノイモの食べ方は、加熱はせず皮をむいておろし器ですりおろしだし汁と混ぜ、ご飯にかけて粘り強さを味わいながら食べると美味しいです。
ヤマノイモに触るとかゆくなりますが、シュウ酸カルシウムが含まれているからです。 シュウ酸カルシウムは皮膚を刺激しているだけなので体に害はありません。
山芋の基本栽培情報
難易度:簡単
野菜の分類:ヤマノイモ科
日当たり:日なたが良い
栽培に適した時期:4月中旬~12月
種いもの植え付け:4月中旬~5月(初心者の方でも種いもから簡単に育てられます。)
連作障害:あり。同じ土では3年休む
肥料の効かせ方:栽培全期間でコンスタントに与える
人工授粉:いらない
収穫時期:10~12月
用意する主な資材
山芋の種いも:大和いも、丹波山のいもという品種がおすすめです
肥料:肥料成分が8-8-8の化成肥料が使いやすいです
支柱:180cm以上の支柱を数本用意

まず初めは、種いもを庭に植え付ける前準備として、庭を耕して野菜作りに適した土に改良します。
こちらを参考にしてください。

自宅の庭先ではなく小さな畑で本格的に野菜を作りたいとお考えの方は、タネ、苗、道具、資材が準備されているシェア畑のご利用がおすすめです。

山芋(つくね芋)の種いもはこちらの楽天市場のショップからでも購入できます。

 

2.庭へ種いもを植え付けます

山芋は、庭を深く耕して暖かくなった4~5月の季節に日当たりのよい場所を選んで育てれば、個人の家庭菜園でも手軽に栽培することができます。

山芋を上手に育てる時のポイントとしては、

  • 芽が出ている種いもを植え付けること
  • 土を乾燥させないこと
  • 肥料切れにならないこと
  • 支柱を立てて伸びてくるつるを上に伸ばすこと
  • 連作を嫌うので同じ土では3年栽培しないこと

を守って栽培してください。

特に、山芋は湿っぽい気候を好むので土を乾燥させないようにしましょう。乾燥が長引くといもが大きくならないことがあるので気をつけてください。

山芋は種いもから育てていく野菜なので、次のように種いもを購入して芽出しをしてから植え付けるという流れで進んでいきます。

1.種いもを購入します

初めに行う作業は、種いもの購入です。

種いもはホームセンターの園芸コーナーで4~5月の期間に購入することができます。

種いもは丸ごと1個のいもか、1個のいもを4つに切ったものが売られています。
※切った種いもは1つ50gくらいの大きさが最適です。

植え付ける時は芽が出ている種いもを植え付けた方が発芽の失敗がないので、芽がでている種いもを選びましょう。

↓ホームセンターで購入した山芋(つくね芋)の種いも↓
山芋の種いも(つくね芋)

2.種いもを庭に植え付けます

種いもを入手した次に行う作業は、種いもをしっかりと耕した庭に植え付ける作業です。

山芋の生育中に枯れる失敗を減らす為に、病気にかかっておらず元気そうで芽が出ている種いもを用意しましょう。

もし、芽が出ていない時は、容器の中に土を入れて種いもを置いて2~3週間くらい水やりをして湿らせていれば芽がでてきます。

芽が出ている種いもを植え付けた方が生育に失敗する確率は減りますが、芽出しさせる時間がない方はそのまま植え付けましょう。

種いもを植え付ける時の注意点は、1コの種いもをそのまま丸ごと植え付ける場合は気にすることはありませんが、半分に切ったり又は4分の1に切って植え付ける場合は、切り口を日なたに置いて乾燥させてから切り口を上向きにして植え付けてください。切り口が湿ったまま植え付けるとカビが生えて腐って腐敗しますので注意してください。
※切り口に草木灰(そうもくばい)をまぶして植え付ける方法もあります。

↓芽出しさせた山芋の種いも↓
芽出しをした山芋の種いも

発芽している種いもを植え付ける時は5月末までに深さ7cmくらいの穴を掘って種いもの芽を上にして穴に置いて埋め戻してください。発芽していない種いもを植え付ける時は5月上旬までに植え付けた方がいいと思います。
※種いもを植えつける時は、30cmの高さの畝を作り、種いもと種いもとの間隔は20cm離してください。

庭で育てる時は、山芋の種いもを植え付ける前までに必ず苦土石灰を撒いて土壌のpHを中和して、元肥の肥料を土に混ぜ合わせ土壌を整えてください。

苦土石灰は植え付け2週間前に1m2あたり100g(土の表面が薄ら白くなる程度)、植え付け1週間前に堆肥は1m2あたり2kg、肥料は有機質肥料化成肥料を1m2あたり130gくらいを目安とします。

そして、種いもの植え付け直後は、根がしっかり張るまで水をたっぷり与えるようにしましょう。

山芋は暖かい季節に育てるので、水やりは朝や昼の時間帯が適しています。日当たりの関係がありますが、水やりは1日1回と決めずに、土の表面が乾いている事に気が付いたらその都度水を与えてください。

山芋は水が多い環境を好むので土が乾燥すると生育が悪くなります。特に、夏場は地表が乾燥しやすいのでたっぷりと水を与えて土が湿った状態を保ちましょう。

↓庭に植え付けた山芋の種いも↓
庭に植え付けた芽出しをした山芋の種いも

3.追肥します

山芋の種いもの芽が地上に顔を出したら、1カ月に1回の頻度で肥料を与えます。

山芋に与える肥料の量は1m2あたり30gでうねの脇に与え、肥料の種類は効き目が早い化成肥料を使ってください。
つるの生育が悪い場合は肥料が少ない状態なので、その都度肥料を適度に与えてください。

但し、いもの形が悪くなることがあるので追肥は8月末までとします。

また、追肥と同時に土寄せも行いましょう。

追肥をする方法は、こちらを参考にしてください。

おすすめの化成肥料

栄養素がN-P-K=8-8-8でバランスよく配合されているので使いやすい化成肥料。値段が安いので広い栽培面積での野菜作りに最適です。

アイリスオーヤマ 肥料 有機入り 化成肥料 8-8-8 5kg

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4.生長していきます

適度に肥料と水を与えていくと山芋のつるはどんどん長く育っていくので、支柱を立ててつるを上方へ伸ばしてください。

いも類は、土の中で大きくなっていくので、生長しているのか見えず不安になりますが、土を乾燥させないように水やりをしていれば大きくなっているので心配しないでください。

もし、つるの伸びが悪い時は肥料と水やりを多めにしてください。土が乾燥するといもが太らないので乾燥させないことが重要です。

↓種いもを植え付けて2週間経過後の山芋のつる。地上へ伸びてきました↓
種いもを植え付けてから2週間くらい経過した山芋のつる

↓種いもを植え付けてから2カ月くらい経過するとつるが3m以上に伸びます↓
種いもの植え付けから2カ月くらい経過した山芋のつる

また、つるが下に垂れさがると葉っぱのつけ根にムカゴができ、ムカゴはムカゴ飯や炒めものにして食べると美味しいですが、ムカゴがたくさん付くと地中のいもが太らなくなる恐れがあります。長い支柱を立ててできるだけ高いところまでつるを伸ばすと同時に、日当たりを良くして葉っぱに日光をあてるようにしましょう。

ムカゴは山芋の肉芽で種みたいなものなので土に埋めると芽がでてきます。芽が出た後は約2年掛けてタネいもとして使えれる大きさになります。

↓葉っぱのつけ根にできたムカゴ↓
山芋のつるにできたむかご

5.山芋の害虫対策

山芋の栽培で注意する害虫としては、コガネムシの成虫とキイロスズメ蛾の幼虫です。

どちらの害虫も葉っぱをたくさん食べて食害します。害虫が大量発生していると葉っぱがほとんど食べられて無くなり山芋の生育が悪くなるので早めに駆除しましょう。

↓コガネムシの成虫は山芋の葉っぱを食害します↓
山芋のつるの葉っぱを食害するコガネムシの成虫

↓キイロスズメ蛾の幼虫は山芋の葉っぱを食害します↓
山芋のつるの葉っぱを食害するキイロスズメ蛾の幼虫

6.収穫します

山芋は、種いもの植え付けから収穫までの栽培期間は6カ月くらいかかります。

10月を迎えると葉っぱが次第に黄色く変色して枯れ始め、葉っぱがすべて枯れたら収穫時期となります。葉っぱが緑色のうちに収穫すると保存がきかないので、早めに収穫するよりも遅めに収穫しましょう。地面近くのつるが完全に枯れてから収穫しても大丈夫です。

いも類は地中にできているので掘り返さないとわからないので、何本か育てている場合は葉っぱが枯れ出したら天気がいい日に試しにスコップで掘っていものつきを確認してみてください。

山芋は、種いもの栄養も使って大きくなるので種いもはしぼんで小さくなっていきます。収穫時にしぼんだ種いもは捨ててください。

山芋のおすすめの食べ方は、皮を剥いてすりおろし器ですりおろしてだし汁と合わせてとろろとして食べるとしっかりとしたねばりがでておいしいです。健康に良い食べ物で簡単に作れるので興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。

山芋をすりおろすとポリフェノールが酸化して紫色に変色することがありますが腐っている訳ではありません。見た目は悪いですが食べても大丈夫です。

↓葉っぱがすべて枯れたら収穫時期です↓
山芋のつるの葉っぱが枯れたら収穫時期

↓種いもの周りに大きく育った山芋が収穫できます。とろろにして食べるとおいしいです。山芋は根が肥大する野菜と勘違いされやすいですがじつは茎が肥大しています。↓
山芋(つくね芋)の収穫

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