庭を耕してタマネギの育て方
広い市民農園を借りなくても自宅の庭先で家庭菜園を楽しむことができます。
庭先を使ったタマネギの育て方を覚えて家庭菜園を始めてみませんか。
タマネギのタネまきに適した季節は9月です。
自宅の庭の耕し方、タネまき、苗の植え付け、追肥、収穫までのタマネギ栽培で行う作業方法をわかりやすく解説しています。
目次
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1.タマネギを育てる為の前準備
- タマネギの体への効用
- カリウム:150mg(可食部100gあたり)
- タマネギは栄養を貯蔵する為のりん葉が肥大したもので、糖質とカリウムが多く含まれており、高血圧予防に効果がある野菜です。また、風邪予防や不眠解消にも効果があるともいわれています。
- タマネギを包丁で切ると涙が出てきますが、それはイオウを含んだ刺激性の硫化物(硫化アリル)が原因です。タマネギに熱を加えて炒めると甘くなるのは硫化アリルが蒸発したり壊れたりする為です。その他に硫化アリルには、臭みを消したり、殺菌作用や疲労回復の効果があります。
- タマネギは大きく分別すると黄色いタマネギの辛味種と赤いタマネギの甘味種に分けられます。一般的に食べられているタマネギは黄色いタマネギで、カレー、牛丼、すき焼き、ステーキなどと一緒に調理すると肉の臭みを取り甘みが加わり相性が良いので美味しくいただけます。赤いタマネギは辛味が少ないので生のままサラダとして食べるのがおすすめです。
- タマネギの基本栽培情報
- 難易度:簡単
- 野菜の分類:ヒガンバナ科
- 日当たり:日なたと日陰の時間の割合が半分くらいが良い
- 栽培に適した時期:9~翌年6月
- タネまき:9月(初心者の方でもタネから簡単に育てられます。)
- 連作障害:特にありませんが、同じ土では1年休んだ方が良い
- 肥料の効かせ方:暖かくなってきた3月の追肥を多く与える
- 人工授粉:いらない
- 収穫時期:翌年4~6月
- 用意する主な資材
- タマネギのタネ:貝塚早生黄、O・L黄、泉州黄という品種がおすすめです
- 肥料:肥料成分が8-8-8の化成肥料が使いやすいです
- 支柱:不要
まず初めは、庭にタネをまく前準備として、庭を耕して野菜作りに適した土に改良します。
こちらを参考にして作業を進めてください。
自宅の庭先ではなく小さな畑で本格的に野菜を作りたいとお考えの方は、タネ、苗、道具、資材が準備されているシェア畑のご利用がおすすめです。
タマネギのタネはこちらの楽天市場のショップからでも購入できます。
2.小さなプランターなどでタネから苗を育てます
タマネギは、春まき栽培と秋まき栽培の2種類があります。寒地にお住まいの方は春まき栽培、暖地にお住まいの方は秋まき栽培というように、お住まいの気候の違いで栽培時期を使い分けてもらうと上手に育てることができます。
ここでは、秋まき栽培について説明します。
タマネギの品種は、4月に収穫する早生種、5~6月に収穫する中生種・晩生種があるので、タネ袋の収穫時期を確かめてから購入してください。秋まきで育てやすい品種は早生種と中生種です。
タマネギは、本来夏のような暑い気候を好みませんので夏が終わって涼しい季節になった9月の秋にタネまきをするか、又は11月くらいに苗を園芸店で購入して植え付けます。
日当たりは特に気にしなくても構わないので誰でも簡単に栽培することができます。
タマネギを秋から育てる時のポイントは、冬を越さないと玉は肥大しない(春に収穫する)ので、マルチフィルムで地面を覆い冬の寒さをしのぐことです。地面の温度が下がると霜柱ができて苗が枯れてしまうことがあります。マルチフィルムをしない時は腐葉土やもみ殻などを土の正面にまいてマルチングしてください。
また、冬が始まる前と3月になったら追肥を忘れずに与えてください。肥料を忘れると、玉が大きく育たなくなるので気をつけましょう。
初めに行う作業は、タマネギは育てやすい野菜なので、タネから苗を育てる時は、小さなプランターなどにタネをすじまきして発芽させます。
※タネまき後に発芽しない、生長しないという問題が起こるので、タネまきする時はタネ袋に書いてあるタネのまきどきを必ず守ってください。
タネまきから1週間くらいで発芽するので、その後1~2カ月間かけて草丈が20cmくらいの長さになるまで水やりと肥料を与えて育ててください。
プランターへタネをすじまきする方法は、こちらを参考にしてください。
↓小型のプランターにタネをまいてタマネギの苗を育てている様子↓
3.苗を庭へ植えつけます
タネから育てたタマネギの苗が20cmくらいの大きさになったら、しっかりと耕した庭に植え付ける準備を始めます。
※タネから苗を育てると1カ月以上かかるので、タネから育てる作業が面倒な方は、ホームセンターの園芸コーナーなどで販売しているタマネギの苗を購入してください。
苗の植え付け方法は、晴れた日に耕した庭に10~20cmの高さの畝を作り、マルチフィルムを敷いて穴を開けて(株と株との間隔は10cmくらい空けてください)、植える深さを3~5cmくらいとしてタマネギの苗を1本ずつ植え付けていきます。マルチフィルムをしない場合は、マルチフィルムの代わりに腐葉土を土の表面にまいて寒さ対策をしてください。
なお、庭で育てる時は、タマネギは酸性土壌を嫌うので苗を植え付ける前までに必ず苦土石灰を撒いて土壌のpHを中和してください。中和しないと生育が悪くなります。苦土石灰を撒いた後は、元肥の肥料を土に混ぜ合わせ土壌を整えてください。
苦土石灰は植え付け2週間前に1m2あたり200g(土の表面が薄ら白くなる程度)、堆肥は1m2あたり2kg、肥料は有機質肥料や化成肥料を1m2あたり200gくらいを目安とします。
そして、タネまきや苗の植え付け直後は、根がしっかり張るまで水をたっぷり与えるようにしましょう。
タマネギは乾燥が苦手です。秋から冬の寒い時期を通り越して春まで育てるので、水やりは朝や昼の時間帯が適しています。日当たりの関係がありますが、水やりは1日1回と決めずに、土の表面が乾いている事に気が付いたらその都度水を与えてください。
↓苗を庭に植え付けてすぐの状態。元気がなくしおれています↓
↓苗を植え付けて1週間経過した状態。元気に育っています↓
4.追肥します
タマネギの苗を庭に植え付けた後は、本格的な冬になる前の12月上旬、寒さが和らいできた3月上旬、玉が太りだしてきた4月に追肥を行います。
育てる期間が長いので肥料を与えることを忘れがちになりますが玉の太り具合に影響しますので必ず与えてください。
タマネギは肥料の量は普通で構いません。葉の色が薄い黄緑色になって枯れ出したり、4月になっても苗の背丈が小さく茎(葉)の太さが細い時は、肥料が少ない状態ですのでその都度肥料を適度に与えてください。
※肥料の量は、効き目が早い化成肥料を1m2あたり70gを目安とします。
追肥をする方法は、こちらを参考にしてください。
おすすめの化成肥料
栄養素がN-P-K=8-8-8でバランスよく配合されているので使いやすい化成肥料。値段が安いので広い栽培面積での野菜作りに最適です。
アイリスオーヤマ 肥料 有機入り 化成肥料 8-8-8 5kg |
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5.生長していきます
苗の植え付け後は、適度に肥料と水を与えていくと、タマネギはどんどん大きく育っていきます。
タマネギは葉もの野菜ですが、土の中や土の表面近くで玉が太くなっていくので、実際に玉が生長しているのか見えないので不安になりますが、日数が経っていくと玉の頭部分が地上に出てきますので、生長を確認できるようになります。
追肥をした時はついでに土寄せをしてタマネギの根元を土で覆うようにましょう。
また、マルチフィルムをしていない時は冬の乾燥対策として腐葉土を土の表面にかけておきましょう。寒さで霜柱ができたら踏みつけてください。
暖かくなってきたら、日清のすぐ植え石灰などの有機石灰を少量撒いてミネラルを補給すると玉がしっかり生長しやすくなります。
また、乾燥に弱く水分が少ないと玉の肥大が悪くなるので雨が降らず土が乾くようなら水やりをしてください。
↓苗を植え付けてから3カ月くらい経過した状態。玉は大きくなっていません。↓
↓苗を植え付けてから5カ月くらい経過すると、玉の頭が太ってきたのが確認できます。↓
6.タマネギの害虫・病害対策
タマネギは、生育期間がとても長く寒い季節では害虫の被害はほとんど発生しませんが、冬が過ぎ春になり気温が暖かくなってきたら、黒い小さな虫が大量にタマネギの葉にこびりついていることがあります。
この黒い虫はアブラムシなので、タマネギの葉の汁を吸って大きくなっていきます。薬剤を撒くか、ピンセットで潰すかして、早めに駆除をしてください。
おすすめの薬剤についてはこちらを参考にしてください。
↓黒いアブラムシは、ネギアブラムシといい、タマネギにも寄ってきます。駆除しないとどんどん増幅して増えます。
また、タマネギは、べと病(湿度が高い日が続くと葉が枯れて玉の太りが悪くなる)、腐敗病(葉や玉が腐る)などの病気になりやすいので気をつけてください。
7.収穫します
タマネギは、早生、中生、晩生という品種の違いによって日長時間と気温の関係で玉になる時期が異なり、タネまきから収穫までの期間は7~9カ月くらい掛かります。
玉ねぎは、玉の大きさが充実してくると支えきれなくなり葉が垂れさがってくる性質があるので、玉が太くなり葉っぱが垂れ下がり枯れ始めてきたら収穫適期です。
一般的なタマネギでは季節でいうと4~6月くらいの暖かくなった時期が収穫に適していて、晴天の日に根っこから引き抜いて収穫しましょう。
タマネギは根が肥大する根もの野菜と勘違いされやすいですが、葉が変化して肥大したりん葉という部分を食用する葉もの野菜に分類されます。では、茎はどこにあるかというとりん葉(タマネギの玉)と根の間の部分にあります。
タマネギは栽培期間は長いですがとても育てやすい野菜なので是非チャレンジしてみてください。
↓葉っぱが枯れ始めて垂れ下がってきたら収穫適期となります。↓
↓比較的簡単に太いタマネギがたくさん収穫できます。収穫後は風通しのよい場所で数日間干してから料理に使いましょう。↓
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