庭を耕してジャガイモの育て方

庭先の家庭菜園(ジャガイモの収穫)

広い市民農園を借りなくても自宅の庭先で家庭菜園を楽しむことができます。

庭先を使ったジャガイモの育て方を覚えて家庭菜園を始めてみませんか。

ジャガイモの種いもの植え付けに適した季節は3月、収穫は6~7月です。

自宅の庭の耕し方、種いもの購入・植え付け、追肥、収穫までのジャガイモ栽培で行う作業方法をわかりやすく解説しています。

目次

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1.ジャガイモを育てる為の前準備

ジャガイモの種いもの植え付けと収穫時期

ジャガイモの体への効用
ビタミンC:35mg(可食部100gあたり)
ジャガイモは、でんぷんに包まれているので熱による損失が少なく、煮物などの熱を加えた料理に適した食材です。
ジャガイモには、ビタミンCとカリウムが多く含まれていて、ビタミンCによる抗酸化作用(細胞の老化防止、免疫力を高める)、カリウムによる体内の塩分を調整して高血圧予防に効果があります。
※古いじゃがいもよりも新じゃがの方がビタミンCは多く含まれています。
また、ジャガイモの皮にはクロロゲン酸が多く含まれていて、活性酸素から身を守る抗酸化作用があるので、皮も一緒に食べると健康に良いですし、皮には食物繊維が豊富に含まれている健康野菜です。
家庭菜園でジャガイモ栽培をする時に注意することは、ジャガイモの芽や緑色になった皮、又は未熟な小さいジャガイモにはソラニンという有毒物質が含まれいるので料理する時は取り除いてください。取り除かずに食べると食中毒になる恐れがあります。
ジャガイモの基本栽培情報
難易度:簡単
野菜の分類:ナス科
日当たり:日なたが良い
栽培に適した時期:3~7月
種いもの植え付け:3月(初心者の方でも種いもから簡単に育てられます。)
連作障害:あり。同じ土では3年休む
肥料の効かせ方:元肥は多く追肥は少なく与える
人工授粉:いらない
収穫時期:6月下旬~7月下旬
用意する主な資材
ジャガイモの種いも:男爵、メークイン、インカのめざめという品種がおすすめです
肥料:肥料成分が8-8-8の化成肥料が使いやすいです
支柱:不要

まず初めは、ジャガイモの種いもを庭に植え付ける前準備として、庭を耕して野菜作りに適した土に改良します。
こちらを参考にしてください。

自宅の庭先ではなく小さな畑で本格的に野菜を作りたいとお考えの方は、タネ、苗、道具、資材が準備されているシェア畑のご利用がおすすめです。

ジャガイモの種いもはこちらの楽天市場のショップからでも購入できます。

 

2.庭へ種いもを植え付けます

ジャガイモは、庭を深く耕して暖かくなり始めた3月頃の季節に日当たりのよい場所で育てれば、誰でも手軽に栽培することができます。

ジャガイモを上手に育てる時のポイントとしては、

  • 芽が出ている種いもを植え付けること
  • 種いもは深植えしないこと
  • 土の水はけをよくすること
  • 肥料切れにならないこと
  • 石灰は混ぜすぎないこと
  • 連作を嫌うので同じ土では3年栽培しないこと

を守って栽培してください。3月までに植え付けないと肥大に必要な日数が足りないので小さいイモしか収穫できなくなります。

ジャガイモは特に湿っぽい気候を好まないので土の湿り過ぎに注意してください。長雨が続くとイモが腐って腐敗したり、日当たりと風通しが悪いと疫病の被害を受けて葉や茎も腐って枯れ出すことがあるので気をつけましょう。

ジャガイモは種いもから育てていく野菜なので、次のように種いもを購入して芽出しをしてから植え付けるという流れで進んでいきます。

1.種いもを購入します

初めに行う作業は、種いもをホームセンターなどで購入しましょう。

ジャガイモの種いもは袋に入って、小さい種いもと大きい種いもが混合されて全体の重さで売られているので、1コ当たり50g以上ある種いもが入っている袋を購入してください。

種いもを植え付ける時は、芽が出ている種いもを植え付けた方が失敗しないので芽が出ている個体を選んだ方がいいです。また、スーパーで売っている食用のジャガイモでも種いもとして使うことはできますが、ウイルスに感染して育たないことがあるので種いも用のイモから育てた方がいいでしょう。

2.種いもを植え付けます

種いもを購入したら、次に行う作業は、種いもをしっかりと耕した庭に植え付けましょう。

種いもを植え付ける時の注意点ですが、芽が出ている種いもを用意した方が植え付け後に発芽しないという失敗を防ぐことができます。もし、種いもに芽が出ていない時は、種いもを土の上に置いて2~3週間くらい太陽の光に当てながら水をかけていれば芽がでてきます。

↓芽出しを行ったジャガイモの種いも。3週間くらいで紫色をした病気に強い芽がでてきます。↓
ジャガイモの種いもの芽出し

芽出しできた種いもはそのまま植え付けてもいいですが、サイズが大きい種いもの場合は種いもを縦方向に半分に切ってから植え付ければ、種いもが2コになるので2倍の量のジャガイモが収穫できます。

なお、植え付けに適した種いもの1コの重さは約50gくらいです。

↓サイズが大きいので縦方向に切った種いも。切り口を乾燥させてから植え付けます。切り口は草木灰をまぶして処理しても大丈夫です。↓
半分に切ったジャガイモの種いも

種いもを植え付ける時は、10cmの高さの畝を作り、株と株との間隔は30cm離して、深さ5cmくらいの穴を掘って種いもの芽を上にして穴の中に置いて埋め戻してください。種いもを植え付ける時期が遅い又は植え付けた時の種いもとの間隔が狭いと小さいイモしかできない恐れがあるので気をつけてください。

↓ジャガイモの種いもの植え付け。3月下旬までに植え付けてください。↓
ジャガイモの種いもの植え付け

注意:庭で育てる時は、ジャガイモの種いもを植え付ける前までに必ず苦土石灰でpHを6.0くらいに中和(pHが高すぎるとそうか病になりやすいです)して、元肥の肥料を土に混ぜ合わせ土壌を整えてください。

苦土石灰は植え付け2週間前に1m2あたり100g(土の表面が薄ら白くなる程度)、堆肥は1m2あたり2kg、肥料は有機質肥料化成肥料を1m2あたり100gくらいを目安とします。そして、種いもの植え付け直後は、芽が地上へ出てくるまでは水をたっぷり与えるようにしましょう。

ジャガイモは3月から育てるので、水やりは朝や昼の時間帯が適しています。日当たりの関係がありますが、水やりは1日1回と決めずに、土の表面が乾いている事に気が付いたらその都度水を与えてください。

ジャガイモは水はけがよい場所を好むので土が湿りすぎないように気をつけてください。

↓種いもの植え付けから2週間くらい経過した状態↓
種いもの植え付けから2週間くらい経過したジャガイモ

3.芽かきをします

ジャガイモは1カ月くらいすると地上へ芽がたくさん伸びてくるようになります。

芽をたくさん伸ばすと栄養分が分散してしまいイモが肥大しなくなるので、草丈が10cmくらいの時に育ちがよい芽を種いも1個に対して1~3本だけ残して、それ以外の芽はすべて引っ張って抜き取ってください。
※地面を手で押さえながら芽を抜き取らないと種いもごと地上に出てきてしまうので気をつけて芽かき作業をしください。

↓ジャガイモの芽かき前の状態↓
じゃがいもの芽かき前

↓ジャガイモの芽かき後の状態(種いも1個当たり芽を3本のみ残しました)↓
じゃがいもの芽かき後

↓根元から引き抜いたジャガイモの芽かきした茎↓
じゃがいもの芽かきした茎

4.追肥します

ジャガイモの種いもの芽が地上に出てきて葉がついてきたら、1カ月に1回の頻度で肥料を与えます。

ジャガイモに与える肥料の量は1m2あたり20gでうねの脇に与え、肥料の種類は効き目が早い化成肥料を使ってください。葉の色が薄い黄緑色になったり枯れ出したりしたら、肥料が少ない状態ですのでその都度肥料を適度に与えてください。

マルチフィルムを敷いていない時はジャガイモを肥大させるのと同時に緑色になるのを防ぐ為に追肥と同時に土寄せ(増し土)もしましょう。

なお、窒素成分を多く与え過ぎるとイモの肥大が悪くなるので気をつけてください。

追肥をする方法は、こちらを参考にしてください。

↓ジャガイモの増し土する前の状態↓
ジャガイモの増土する前

↓ジャガイモの増し土した後の状態。根元にイモができるので定期的に土をかぶせてください。↓
ジャガイモの増土した後

おすすめの化成肥料

栄養素がN-P-K=8-8-8でバランスよく配合されているので使いやすい化成肥料。値段が安いので広い栽培面積での野菜作りに最適です。

大宮グリーンサービス 化成肥料(国産) 8-8-8 5kg

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5.生長して花が咲きます

適度に肥料と水を与えていくと、ジャガイモはどんどん大きく育っていきます。

ジャガイモは、土の中のイモが大きくなっていくので、生長しているのか見えず不安になりますが、適度に水やりをしていればイモは大きくなっているので心配しないでください。また、ジャガイモの苗の草丈や茎の太さからも判断できます。

もし、花が咲いた時に、茎が細く、草丈が50~60cmくらいない場合は生育が悪くなっているので、肥料と水やりを多めにしてください。
※私の経験では、草丈が低いとイモのサイズは小さくなります。

茎の草丈が伸び過ぎて地面に倒れている場合は、窒素肥料が多いので肥料はそれ以上与えないでください。窒素が多いとイモにデンプンが貯まりにくくなるので水っぽくて美味しくないジャガイモに育ってしまいます。

↓種いもの植え付けから2カ月くらい経過した状態。正常だと草丈は50cmくらい伸び先端につぼみができます。↓
立派に生長したジャガイモの苗

↓種いもの植え付けから3カ月くらい経過すると紫色の花が咲きます↓
ジャガイモ(メイクイーン)の花

6.ジャガイモの害虫対策

ジャガイモは、害虫被害はほとんどありませんが、カメムシが大量発生して茎から汁を吸って生長を妨げるので気をつけましょう。

下の写真のように黒色の虫がいたらカメムシなので、見つけ次第捕殺してください。

↓大量発生してジャガイモの樹液を吸うカメムシ↓
ジャガイモに大量発生するカメムシ

7.収穫します

ジャガイモは、種いもの植え付けから収穫までの期間は3~4カ月くらい掛かり、葉っぱや茎が枯れ出したら収穫を始めます。
※遅くても7月下旬までには収穫を終わらせましょう。

ジャガイモは土の中にイモができているので掘ってみないことにはわからないので、天気がいい日に試しに1株をスコップで掘ってみてイモのつきを確認して、もし、太ったジャガイモができていたら収穫を行ってください。

収穫時に注意することは、土が湿って高温の日が続くとジャガイモが腐敗することです。また、太陽の光に当たっていたジャガイモは緑化されてしまい毒素を持っているので、もったいないですがその部分は切り落として料理に使ってください。

↓葉っぱや茎が枯れて垂れ下がってきたので収穫時期です。↓
ジャガイモの葉っぱが枯れてきたら収穫適期

↓試し掘りしたジャガイモ。イモのサイズは十分大きいです。↓
試し掘りしたジャガイモ

1つの種いもからは大小のサイズを合わせて10個程のジャガイモが簡単に収穫できます。とても育てやすいと思うので是非栽培してみてください。

ジャガイモを食べる時は、収穫したてのものをすぐに食べるのではなく、1週間くらい経過したものの方がデンプンが糖に変わり甘みが増しています。

なお、ジャガイモを保管する時は、冷蔵庫に入れるのではなく、日が当たらない場所で常温が適しています。

↓掘り起こしたジャガイモ。大きなイモが収穫できました。↓
掘り起こしたジャガイモ

↓収穫したジャガイモ。多収穫できました。↓
ジャガイモ(メイクイーン)の収穫

ジャガイモは茎からできているの?

ジャガイモは種いもの周りにできるのではなく種いもの上側にできるので、土を被せていかなくてはいけません。

多くの人は、ジャガイモは根が肥大してできたものだと思っていますが、じつはストロンという地下の茎が肥大したものです。

ですので、ジャガイモから伸びている細い線は根ではなく茎(地下の茎)でつながっており、根から栄養分を吸収して茎から栄養分が供給されてジャガイモができます。

↓ジャガイモから伸びているのは根ではなく茎(ストロン)です↓
ジャガイモは茎が肥大してできる

ジャガイモの緑化を防ぐ方法

ジャガイモを収穫すると緑色に変色しているイモが見つかることがあります。

ジャガイモは、種いもの上部から芽が出て伸びていき、ジャガイモは茎の部分に栄養が貯まりかたまりとなって肥大していくので、イモが地表に出て太陽の光が当たると緑色に色が変わります。

では、ジャガイモが緑色にならないようにするにはどうしたらいいのかというと、土寄せ(増し土)をしてジャガイモが太陽の光に当たらないようにして育てることが必要です。

なお、収穫したジャガイモは日なたに置いておくと緑化して毒を持ちますので、日が当たらない場所で保管しましょう。

↓太陽の光が当たっていた箇所が緑化してしまいました↓
緑色に変色したジャガイモ

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