野菜を病気から守る病害対策の方法

1.野菜が病気にかかったらどのように対処すればいいの?

庭やプランターでいろいろな野菜を育てていると、必ずといっていい程病気に遭遇します。

野菜は何も手入れをせずにほったらかしで大きく育つと思っている方は大間違いです。

野菜が病気にかかる原因は、空気中や土の中にいるカビ、細菌、ウイルスが根や葉や傷口などから植物の中に取り込まれ、空気感染と土壌感染することが主な発生源となります。

カビ、細菌、ウイルスによる病気にかかりやすい条件としては、

  • カビの病気:湿度と気温が高い時に発生しやすい。
  • 細菌の病気:害虫にかじられた傷口などから感染します。
  • ウイルスの病気:アブラムシなどが媒介します。

などがあります。

ウイルスによる病気では、アブラムシやアザミウマなどの害虫の排泄物が原因でウイルスに感染してモザイク病になるケースがあります。その他では、日当たりが悪かったり、肥料や水やり不足などによる生理障害が原因で株が弱り病気を発病することがあります。

野菜が病気になりやすい季節は6~7月です。梅雨のような湿度が高く長雨が続く環境の時に多くみられ、カビが繁殖することによりうどんこ病やべと病などにかかり野菜の葉が被害を受けます。野菜が病気にかかってしまうと致命的な病気の場合では野菜の生長が止まり枯れてしまうことがあるので、なるべくじめじめせず風通しがよい環境で育てられるように工夫しててください。

軽い病気の場合は、病気にかかった部位を切り取って他の部位に移らないようにするか薬剤を散布すれば状態は回復しますので、野菜の異変に気付いた時は早めの対策が必要になります。

一般的には薬剤のタイプは殺菌剤と殺虫剤の2種類があります。野菜が病気の場合は殺菌剤を、害虫を駆除する場合は殺虫剤を使用して対処してください。

↓タネから発芽して間もない野菜の根元近くが細菌が原因で腐っています↓
野菜の根元が腐る病気

↓トマトの葉に茶色い斑点(葉焼け)ができましたが強い光を浴びたことによる生理障害(病害虫が原因ではない症状)です。葉焼けは病気ではないので感染しません。↓
トマトの葉に斑点

次に、家庭菜園で頻繁に遭遇する病気を載せておきますので参考に使ってください。

家庭菜園で遭遇する野菜の病気リスト

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2.野菜が病気にならない為の予防方法

野菜が病気になってしまってからどのように処置すればいいのかと対策を考えがちですが、病気にかかりにくい環境作りを毎日整えることが大切です。

例えば、病気にかからない簡単な対策としては、

  • 病気にかかりにくい耐病性品種を育てる。
  • 使い古した土は消毒して清潔な土に再生してから使う。
  • 風通しを良くする為に支柱に誘引したり茂りすぎた葉を切る。
  • 日なたを好む野菜は日なたで、日陰を好む野菜は日陰で育てる。
  • 肥料の窒素成分を控え目に追肥する。
  • 病気にかかってしまった部分は見つけ次第もぎ取って処分する。
  • アブラムシなどのウイルスを運ぶ害虫は早めに駆除する。

などが挙げられます。

野菜の生育中に病気にかかってしまい、最悪の場合では枯れてしまい苗を処分しないといけなくなることもあります。

一般的には、病気は日のあたりが悪く湿っぽい環境を好むので、その逆の環境(日当たりが良く乾燥)を作ることがポイントです。具体的に下記のような対策を施すと、病気に掛かりにくくなります。野菜が病気になってからでは遅いので病気になる前に対策をしておきましょう。

対策1
苗は植え付け適時に入手して、茎が太い健康な苗を購入しましょう。また、耐病性品種や接ぎ木苗は病気にかかりにくい傾向があります。
対策2
昨年野菜を育てた土は石灰と堆肥を混ぜて改良処理して、太陽の光に当てて清潔な状態にしてから使いましょう。
対策3
朝晩冷え込む時は、寒冷紗やビニール袋で野菜を覆い保温しましょう。
対策4
日なたを好む野菜は、なるべく日が当たる場所で日照不足にならないように育てましょう。
対策5
土を乾燥させると株が弱り病気になりやすくなるので、地表が乾燥しているのを確認したら水を与えましょう。
対策6
肥料成分である窒素は茎や葉の生長を促進させますが、与えすぎると著しく生長してしまい軟弱になるので与えすぎに注意しましょう。
対策7
コンテナで野菜を育てる場合は、コンテナとコンテナとの間隔を少し大きくあけて風通しを良くしましょう。また、コンテナの向きや位置などをときどきかえたり、花台などを使い風通しを良くしましょう。
対策8
連作障害を起こさないように、野菜をローテーションして作りましょう。
連作障害とは、同じ野菜や近縁(同じ科)の野菜を同じ土で連続して作った場合に現れる障害です。
アブラナ科、ウリ科、ナス科の野菜に発生しやすく、主にキュウリのつる割れ病、カブの根コブ病、ナスの半身いちょう病などがあります。
同じ土で作る場合は、3年くらいはあけた方がよいです。連作障害は、土壌中の微生物や病原菌などのアンバランスが原因で起こるとされています。
対策9
育てる野菜と一緒にコンパニオンプランツを植えてください。
コンパニオンプランツとは、野菜が病害虫に遭いにくくなる植物のことです。育てる野菜と種類の違う野菜を一緒に根元に植えると、虫が寄り付きにくくなり病気にもかかりにくくなるメリットがあります。但し、組み合わせを間違えると余計に虫が寄ってきたり病気になりやすくなるので、組み合わせを間違えないようにしましょう。
コンパニオンプランツとして組み合わせる野菜は次の通りです。
  • ウリ科の野菜とネギ
  • ナス科の野菜とニラ
  • ハクサイとトウガラシ
  • アブラナ科の野菜とキク科の花や野菜

対策を行っても病気にかかってしまったときは、症状が重症になる前に最終手段として薬剤(殺菌剤)を散布しましょう。

薬剤には、野菜に直接かけるタイプと土にまくタイプがあります。
野菜に直接吹きかけるタイプの薬剤は、晴れた日の風が少ない朝に、使用期限、使用回数、薄める濃度、散布量など説明書に書かれている通りに守り散布してください。

土にばら撒くタイプの薬剤は、野菜に使っていい薬剤なのか確認してください。花と観葉植物にしか使えない薬剤もあります。

なお、どちらのタイプの薬剤にしても、薬剤の種類によって殺菌効果が期待できる病気は異なるので、殺菌したい目的の病気に合った薬剤を購入してください。

次に、病気を治療する時に使う薬剤を載せておきますので参考に使ってください。

野菜の病気治療に効果があるおすすめの薬剤

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